- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 12月日銀決定会合:物価ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない、「物価安定の理解」の明確化
■introduction
・円高、デフレで不透明感は強まるが、景気の現状「持ち直している」を維持、日銀は物価マイナスを許容していない、広義の時間軸を導入
日銀は17・18日開いた金融政策決定会合で、政策金利の誘導目標を0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定した。円高やデフレが進行する景気の現状については、「持ち直している」との判断を維持した。
今回サプライズは、「中長期的な物価安定の理解」を示し、その中で「委員会としてゼロ%以下のマイナスの値は許容していない」ことを表明したことだ。広義の時間軸導入と考えていいだろう。
事前予想では、今回の会合は据え置き、今後は事態が悪化すれば日銀は追加策を打ち出すとの見方が強かった。つまり12/1日に臨時で策を打ち出したが、今後も「受身」になるとの見方だった。
今回物価マイナスを許容しないというメッセージを市場に示すことで、日銀は受身ではなく、積極的に緩和策を打ち続けるとの見方をさせたかったのだろう。
今後追加緩和策としては、自然な姿としては12/1日に導入した新型オペの拡充だろう。現在の10兆円の増額や、期間3ヶ月のオペの期間延長決定などは比較的ハードルが低いように思われる。
その他、ターム物金利の低め誘導、日銀券ルールの見直しを行い長期国債買取増額、外債購入、さらなる時間軸強化なども検討されるだろうが、これらは事態の深刻度合いによる。いずれにせよデフレファイターを宣言した日銀にとって、今後は踏み込んだ量的金融緩和をどう実現するのか、大胆かつ具体的な手段を示す局面になってきた。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月14日
今週のレポート・コラムまとめ【5/7-5/13発行分】 -
2024年05月13日
保険会社を対象としたストレステストの開始(欧州)-地政学的な懸念を想定した、EIOPA等のシナリオに基づいて -
2024年05月13日
貸出・マネタリー統計(24年4月)~金利引き上げを受けて定期預金に資金が流入 -
2024年05月13日
英国GDP(2024年1-3月期)-年明け以降はプラス成長に -
2024年05月10日
米国消費者の生命保険ニーズギャップは過去最大-コロナ禍以降、ニーズギャップは拡大-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【12月日銀決定会合:物価ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない、「物価安定の理解」の明確化】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
12月日銀決定会合:物価ゼロ%以下のマイナスの値は許容していない、「物価安定の理解」の明確化のレポート Topへ