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- 米9月ISM製造業指数が急落~急速な景気冷え込みを示唆
■見出し
・製造業指数が43.5に急低下の半面、非製造業指数は50.6と回復
・製造業各指数では、主要指数の下落が大きく、価格指数も急低下:各指数の内訳
・非製造業指数の内訳では、全般、小幅の動き
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、9月製造業指数(PMI)が43.5と急低下、前月(49.9)、市場予想値(49.5)をともに大きく下回り、2ヵ月連続で製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を下回った。また、9月水準は9.11テロ事件直後の2001年10月(40.8)以来の低水準となる。これまでの景気減速は、住宅市場とその影響を受けやすい個人消費を中心としたもので、製造業の落ち込みは比較的浅いとされていた。しかし、今回、製造業指数が、ストック調整で製造業の打撃が大きかった2001年リセッション時の水準に近づいたことにより、景気減速が製造業を取り込んだより広範なものとなってきたことが示されたと言えよう。もっとも、ISMによると、PMIが示す経済全体の分かれ目は41.1であり、9月PMI(43.5)は、実質GDPの年率0.8%に対応するものだとしている。
一方、9月の非製造業指数(NMI:注)は50.2と8月(50.6)から0.4ポイントの低下、市場予想(50.0)を上回り2ヵ月連続で50台を維持した。また、昨年まで非製造業の景況感を示す指数とされていた事業活動指数は52.1と前月(51.6)から上昇、NMI同様2ヵ月連続で50台を維持した。事業活動指数は、1月に41.9とテロ事件直後の2001年10月(40.5)以来の低水準に落ち込んだが、2月以降50前後での推移を続けている。なお、価格指数も小幅の低下(72.9→70.0)に留まっている。(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、本年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
以上のように、9月ISM指数は、製造業では50を大きく割り込む一方、非製造業では50を維持するなど、製造業指数の大幅下落に比し、非製造業指数の落ち着いた動きが対照的となっている。ただし、製造業価格指数の大幅な下落に見られるように、原油価格下落や金融危機の後の動きについては、製造業が先行して影響を受けているとも考えられ、今後の動向が注目される。
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土肥原 晋
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