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2025年06月05日

金利のある世界の歩き方-新たな環境下での年金運用を考える

総合政策研究部 上席研究員 新美 隆宏

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■要旨

日本の金利は、長期に亘る低下と低水準が継続する局面から転じて上昇し、「金利のある世界」となった。また、株式市場は、リーマン・ショックやチャイナ・ショック、コロナ・ショックなどで大幅に下落する局面もあったが、長期的には上昇してきた。この間、確定給付企業年金(以下、DB年金)の全体的な動きとしては金利低下を踏まえて予定利率を引き下げ、また株価上昇により年金財政が改善している。本稿では、このような「金利のある世界」とDB年金の現状を前提とする政策アセットミクスを考えたい。また、生命保険会社の団体年金一般勘定(以下、一般勘定)は、低水準の国内金利や新資本規制への対応などのために、一部の会社は商品性の見直しを行い、その上で新規受託を再開する動きがある。そこで本稿では、一般勘定についても併せて考察したい。

■目次

1――はじめに
2――現在の市場環境・DB年金の状況
  1|現在の市場環境
  2|DB年金の予定利率
  3|DB年金の年金財政
3――現在の市場環境・DB年金の状況を踏まえた政策アセットミクス
  1|各資産の期待リターン、リスク
  2|DB年金の現状を踏まえた目標リターン
  3-1|政策アセットミクスの検討(1)
   ~金利のある世界とない世界の違いについて~
  3-2|政策アセットミクスの検討(2)
   ~金利のある世界における国債債券・一般勘定の組み入れについて~
  4|ダウンサイドリスクの確認
  5|金利上昇を受けた予定利率の引き上げについて
4――総括

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年06月05日「基礎研レポート」)

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総合政策研究部   上席研究員

新美 隆宏 (にいみ たかひろ)

研究・専門分野
金融・経済政策、企業年金、資産運用・リスク管理

経歴
  • 【職歴】
     1991年 日本生命保険相互会社入社
     1991年 ニッセイ基礎研究所
     1998年 日本生命 資金証券部、運用リスク管理室
     2006年 ニッセイ同和損害保険(現 あいおいニッセイ同和損害保険)
     2011年 ニッセイ基礎研究所
     2015年 日本生命 特別勘定運用部、団体年金部
     2025年 ニッセイ基礎研究所(現職)

    【加入団体等】
    ・日本証券アナリスト協会 認定アナリスト

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レポート紹介

【金利のある世界の歩き方-新たな環境下での年金運用を考える】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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