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2025年05月23日

中国経済:2025~26年の見通し-米中の緊張緩和で成長率「+5%前後」目標の達成に一筋の光明

経済研究部 主任研究員 三浦 祐介

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(不動産市場)
不動産市場について、4月の住宅販売面積の前年同月比伸び率は、前月からマイナス幅が拡大した(図表13)。住宅販売価格(70都市平均)の前年同月比の伸びは、22年4月以降、37カ月連続でマイナスとなっているが、24年10月を底にマイナス幅の縮小が続いている。

供給側の動向に関して、住宅着工面積(3カ月後方移動平均)の伸びは、前月からマイナス幅が小幅に縮小した(図表14)。住宅竣工面積(同上)の伸びは、マイナス幅が拡大した。住宅完成在庫面積は依然増加しているが、伸び率は前月から僅かに縮小した。また、不動産開発資金(同上)の伸びは、24年春先以降、改善傾向にはあるものの、依然として前年同月比でマイナスとなっている。
(図表13)住宅販売面積・価格/(図表14)住宅供給関連指標
(財政)
財政の動向をみると、歳出(3カ月後方移動平均)については、一般公共予算、政府性基金とも、4月は前月から伸びが高まった(図表15)。とくに、政府性基金で伸びが大幅に高まっている。歳入(同上)については、一般公共予算、政府性基金とも、4月は前月から伸びのマイナス幅が縮小した。一般公共予算のうち、税収は伸びのマイナス幅が縮小した一方、非税収入の伸びは低下した(図表16)。
(図表15)歳出/(図表16)歳入

3.物価・金融の動向

3.物価・金融の動向

(物価)
物価の動向について、4月の消費者物価指数(CPI)は、3月から横ばいで推移した(図表17)。生鮮野菜等の食品価格の伸びはマイナス幅が縮小した一方、食品・エネルギーを除くコアCPIは、前月から横ばいとなった。工業生産者出荷価格(PPI)の伸びは、22年10月以降、31カ月連続でマイナスとなっており(図表18)、4月は伸びのマイナス幅が3月に続き前月から拡大した。
(図表17)CPI/(図表18)PPI
(金融)
金融の動向について、4月のM2の伸びは、前月から高まった。社会融資総量の伸びも、前月から高まった(図表19)。政府債券、それ以外ともに伸びが高まった。金融政策に関して、政策金利(リバースレポ・オペ、7日物)は24年9月に引き下げられて以降、長らく据え置きとされてきたが、25年5月に10bpsの利下げが実施された(図表20)。それを受け、貸出金利のベンチマークとなるLPRも、1年物、5年物とも、同月に10bps低下した。
(図表19)社会融資総量/(図表20)政策金利・LPR

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年05月23日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   主任研究員

三浦 祐介 (みうら ゆうすけ)

研究・専門分野
中国経済

経歴
  • 【職歴】
     ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
     ・2009年:同 アジア調査部中国室
     (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
     ・2020年:同 人事部
     ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

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