2025年03月12日

2025年中国全人代のポイント-米中摩擦のなか、内需拡大で「+5%前後」成長とデフレ回避を目指す

経済研究部 主任研究員 三浦 祐介

文字サイズ

■要旨

2025年3月5日、中国で年に一度の全国人民代表大会(以下、全人代)が開幕し、李強首相による政府活動報告(以下、「報告」)で、25年の具体的な政策方針が示された。「報告」でも指摘されたように、現在の中国は、米中摩擦の激化を中心とした外部環境の悪化のほか、国内での消費不振による需要不足の問題や企業の経営難、地方の財政難など、厳しい環境に置かれている。そうしたなか、「報告」では、トランプ1.0の際と同様、外部環境の不確実性に対して、内需の拡大、活性化で乗り切る考えが示された。以下、本稿では、「報告」などで示された25年の経済政策の注目ポイントを紹介する。

■目次

1――経済政策の目標 : 成長率目標は据え置き。物価目標はインフレ対応からデフレ対応に変化
2――財政・金融政策の方針
  1|財政政策 : 財源を総動員して需要喚起やリスク対策に充当
  2|金融政策
   : 利下げは為替等の動向をにらみつつ実施。不動産・株式市場対策も打ち出される可能性
3――リスク対策
 : 不動産・地方政府財政・中小金融機関が主眼。米中摩擦へのまとまった言及はなし
4――経済の活性化 : ハイテク産業の育成や民営経済・外資支援を継続
5――おわりに : 2025年は試練の1年に

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年03月12日「基礎研レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

経済研究部   主任研究員

三浦 祐介 (みうら ゆうすけ)

研究・専門分野
中国経済

経歴
  • 【職歴】
     ・2006年:みずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社
     ・2009年:同 アジア調査部中国室
     (2010~2011年:北京語言大学留学、2016~2018年:みずほ銀行(中国)有限公司出向)
     ・2020年:同 人事部
     ・2023年:ニッセイ基礎研究所入社
    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

週間アクセスランキング

ピックアップ

レポート紹介

【2025年中国全人代のポイント-米中摩擦のなか、内需拡大で「+5%前後」成長とデフレ回避を目指す】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2025年中国全人代のポイント-米中摩擦のなか、内需拡大で「+5%前後」成長とデフレ回避を目指すのレポート Topへ