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- インド消費者物価(25年4月)~4月のCPI上昇率は+3.2%、食品インフレの減速続く
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地域別のCPI上昇率をみると、都市部が前年同月比3.4%(前月:同3.4%)と横ばいだったが、農村部が同2.9%(前月:同3.2%)となり6カ月連続で低下した。
品目別にみると、主に食品価格の下落がCPIを押し下げた。
まず食品は前年同月比1.8%となり、前月の同2.7%から低下した(図表2)。食品のうち、まず野菜が同▲11.0%(前月:同▲7.0%)となり価格下落が続いた。特にインドで日常的に必須な野菜とされるトマトは前月比4.9%、ジャガイモは同1.8%上昇したものの、タマネギが同▲17.4%と大きく下落した。また豆類(前年同月比▲5.2%)と香辛料(同▲3.4%)、肉・魚(同▲0.4%)が減少したほか、国際価格の軟化により穀物製品(同5.3%)が鈍化した。他方、昨年9月の輸入税率の引上げを背景に高騰している食用油(前年同月比17.4%)や果物(同13.8%)は二桁増が続いたほか、加工食品(同4.4%)と牛乳・乳製品(同2.7%)が小幅に上昇した。
燃料・電力は前年同月比2.9%(前月:同1.4%)と上昇し、2ヵ月連続で増加した。
コアCPI(食品、燃料を除く総合)は前年同月比4.2%(前月:同4.1%)と、小幅に上昇した。カテゴリー別にみると、重荷金価格の高騰によりパーソナルケア(同12.9%)が二桁増だったほか、教育(同4.1%)や輸送・通信(同3.7%)、衣服・靴(同2.7%)が前月から小幅に上昇した。一方、家庭用品・サービス(同2.5%)は前月から低下、娯楽(同2.4%)と住宅(同3.0%)は前月から横ばいだった。
昨年7月以降はインド経済の減速が強まり景気下支え策が求められるなか、RBIは4月の金融政策委員会(MPC)では2会合連続で0.25%の利下げを実施し、金融政策のスタンスをこれまでの「中立」から「緩和的」に変更している。トランプ米政権の関税政策の影響でインドの経済成長と物価に不透明感が強まるなか、今回インフレ率がインド準備銀行(RBI)の物価目標(+4%)を3カ月連続で下回ったことにより(図表3)、RBIに更なる金利の引き下げ余地が生まれた。RBIは穏やかなインフレが続くなかで成長の下支えを優先して、6月と8月の会合ではそれぞれ0.25%の追加利下げを実施し、政策金利は5.5%まで引き下げられると予想する。
1 Bloomberg集計の中央値。
(2025年05月14日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
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