- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 英国雇用関連統計(25年3月)-緩やかながらも賃金上昇率の減速傾向が継続
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:週平均賃金は前年比5.6%まで低下
【3月】
・失業保険申請件数2は前月(174.73万件)から1.87万件増の176.60万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.7%となり、前月(同4.6%)からやや上昇した。
・給与所得者数3は前月(3040.7万人)から7.8万人減の3032.9万人となった。増減数は前月(▲0.8万人)から減少幅が拡大し、市場予想4(▲1.5万人)を下回った。
【2月(24年12-25年2月の3か月平均)】
・失業率は4.4%で前月(4.4%)から横ばい、市場予想(4.4%)と一致した(図表1)。
・就業者は3399.6万人で3か月前の3379.0万人から20.6万人増加した。増減数は市場予想(17.0万人)を上回り、前月(14.4万人)から拡大した。
・週平均賃金は前年比5.6%で前月(5.6%)と一致、市場予想(5.7%)を下回った(図表2)。
1 労働力調査ベースの統計については、回答率の低下を受け、ONSでは開発中の公式統計という位置付けで公表されている。
2 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは開発中の公式統計という位置付けで公表している。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは約85%のデータから推計。
4 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:給与所得者の給与(中央値)伸び率は4%台に低下
給与所得者データは、3月の給与所得者数(速報値)が前月差で7.8万人減となり2か月連続での減少となった(なお、過去の数値の改定は2月:2.1→▲0.8万人、1月:0.9→0.7万人)。産業別には卸・小売業、居住・飲食サービス、保健・社会事業サービス、専門・技術サービス、製造業など幅広い業種で減少した。3月の給与額(中央値)伸び率は前年同月比4.8%となり、2月(5.5%)から低下した。
処遇改善を求めたストライキは、2月は件数ベースで57件(1月64件)、労働損失日数で5.3万日(1月5.0万日)となっており、低水準での推移が続いている(図表6)。
5 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていないため留意が必要。
(2025年04月16日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/01 | ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/23 | IMF世界経済見通し-トランプ関税で世界成長率は3%割れに | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | ECB政策理事会-トランプ関税を受け6会合連続の利下げ決定 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/16 | 英国雇用関連統計(25年3月)-緩やかながらも賃金上昇率の減速傾向が継続 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【英国雇用関連統計(25年3月)-緩やかながらも賃金上昇率の減速傾向が継続】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
英国雇用関連統計(25年3月)-緩やかながらも賃金上昇率の減速傾向が継続のレポート Topへ