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患者数:入院は減少、外来は増加-2023年の「患者調査」にコロナ禍の影響はどうあらわれたか?
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
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4――受療率
外来についても、外来受療率の上位6つの疾病の推移を見てみよう。
最も外来受療率の高い消化器系の疾患は、やや低下となった。循環器系の疾患と内分泌,栄養及び他代謝疾患はやや上昇、筋骨格系及び結合組織の疾患は低下となった。
呼吸器系の疾患で、+35.6%もの大きな上昇となった。これは、2020年にコロナ禍で、呼吸器系の疾患の患者が医療施設での受療を控えるケースが多かったことの反動とみられる。
一方、健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用は、2020年に大きな伸びを見せ、2023年にはその水準が横這いとなった。これは、主として、予防接種による。2020年の調査時点では、新型コロナのワクチンはまだ開発されていなかったが、インフルエンザとダブルで流行することを心配した人々が、大挙してインフルエンザの予防接種を受けた。2023年には新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行したものの、まだワクチン接種が続いていており7、高水準が維持された。これらの動きが統計に反映されたものと考えられる。
7 新型コロナワクチンの全額公費による接種は2024年3月31日に終了した。また、65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60~64歳の人を対象とした定期接種に対する助成は2025年3月31日に終了した。
(2025年04月15日「基礎研レター」)
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
篠原 拓也のレポート
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