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- 2025年の消費動向-節約一服、コスパ消費から推し活・こだわり消費の広がり
2025年04月08日
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1―存在感の増す「推し活」消費
                                            一方で近年、消費における「推し活」の存在感が急速に増す中で、メリハリ消費やコスパ意識も影響を受けている。
推し消費はイベントへの参加、グッズ購入、飲食サービスの利用など多岐に渡るため、従来の統計では正確な規模を把握しにくい。しかし、SNSでは、価値を感じたものには他を抑えてでもお金をかけ、高額な出費もいとわないような消費者の姿も見られる。また、推し消費は単に好きなものを購入するだけではなく、SNS上での自己表現やファン同士のコミュニティ形成につながっている。
近年、消費社会が成熟化し、安価で高品質な商品・サービスが普及している。無料のアプリやネットサービスも広がり、こだわりの少ない消費には、お金をかけずにコスパ良く済ませられる環境が整っている。このような中で、推し消費のように「自分の楽しみにどんな価値を与えるか」「その消費を通じて理想の自分をどう表現するか」といった視点が消費行動においてますます重要な要素となっている(イミ消費やエシカル消費を含む)。
つまり、可処分所得の増減によらず、こだわりの少ない消費にはコスパが求める一方、こだわりの強い消費には積極的に支出するという「メリハリ消費」の傾向が一層強まっている。その結果、可処分所得が伸び悩んだ2024年は、消費対象をより慎重に選び抜いた1年だったと言える。
            推し消費はイベントへの参加、グッズ購入、飲食サービスの利用など多岐に渡るため、従来の統計では正確な規模を把握しにくい。しかし、SNSでは、価値を感じたものには他を抑えてでもお金をかけ、高額な出費もいとわないような消費者の姿も見られる。また、推し消費は単に好きなものを購入するだけではなく、SNS上での自己表現やファン同士のコミュニティ形成につながっている。
近年、消費社会が成熟化し、安価で高品質な商品・サービスが普及している。無料のアプリやネットサービスも広がり、こだわりの少ない消費には、お金をかけずにコスパ良く済ませられる環境が整っている。このような中で、推し消費のように「自分の楽しみにどんな価値を与えるか」「その消費を通じて理想の自分をどう表現するか」といった視点が消費行動においてますます重要な要素となっている(イミ消費やエシカル消費を含む)。
つまり、可処分所得の増減によらず、こだわりの少ない消費にはコスパが求める一方、こだわりの強い消費には積極的に支出するという「メリハリ消費」の傾向が一層強まっている。その結果、可処分所得が伸び悩んだ2024年は、消費対象をより慎重に選び抜いた1年だったと言える。
2―消費は年後半から徐々に活発化
* 斎藤太郎「2024~2026年度経済見通し」、Weeklyエコノミストレター(2025/3/11)
3―循環型消費、AIに任せる消費も
                                            一方で、モノを大切にする価値観は根強く、リユースやリサイクルといった中古市場は拡大を続けている。節約志向を持ちながらも「モノの循環」を意識する生活スタイルが広がり、「この消費が社会課題の解決につながるか」を考えるエシカル消費が広がっている。
また、AIが消費行動に与える影響も大きい。SNSの広告やネットショッピング、動画・音楽配信サービスのおすすめ機能は、従来の購入・閲覧履歴に加え、個人の嗜好や行動パターン、購入タイミングなどをより高度に活用するようになっている。今年はこうしたパーソナライズの精度がさらに向上し、消費者は「選ばなくてすむ」「任せる」スタイルをより取り入れやすくなっていくだろう。
情報過多で選択に迷う時代から、AIが最適な選択を提示する時代へとシフトする中で、消費スタイルも変化している。2025年の消費動向は、2024年の「お金を意識する」流れを踏まえながら、より自由度の高い消費へと移行していくと考えられる。
            また、AIが消費行動に与える影響も大きい。SNSの広告やネットショッピング、動画・音楽配信サービスのおすすめ機能は、従来の購入・閲覧履歴に加え、個人の嗜好や行動パターン、購入タイミングなどをより高度に活用するようになっている。今年はこうしたパーソナライズの精度がさらに向上し、消費者は「選ばなくてすむ」「任せる」スタイルをより取り入れやすくなっていくだろう。
情報過多で選択に迷う時代から、AIが最適な選択を提示する時代へとシフトする中で、消費スタイルも変化している。2025年の消費動向は、2024年の「お金を意識する」流れを踏まえながら、より自由度の高い消費へと移行していくと考えられる。
(2025年04月08日「基礎研マンスリー」)
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                                        03-3512-1878
経歴
                            - プロフィール
 【職歴】
 2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
 2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
 2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
 2021年7月より現職
 ・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
 ・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
 ・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
 ・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
 ・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
 ・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
 ・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
 【加入団体等】
 日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
 生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
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【2025年の消費動向-節約一服、コスパ消費から推し活・こだわり消費の広がり】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
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![[図表1]二人以上世帯の旅行やレジャー支出(対2019年同月実質増減率)](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/81512_ext_15_0.jpg?v=1743987027)
![[図表2]実質家計消費と実質可処分所得](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/81512_ext_15_2.jpg?v=1743989387)
 
            
 
                     
					


