2025年03月31日

日本における在職老齢年金に関する考察-在職老齢年金制度の制度変化と今後のあり方-

生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中

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  • 在職老齢年金とは、就労し、一定以上の賃金を得ている60歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、当該老齢厚生年金の一部又は全部の支給を停止する仕組みである。
     
  • 在職老齢年金による高年齢者の就業抑制効果については、これまで多くの研究が行われており、在職老齢年金制度が高年齢者の就業意欲を抑制している可能性があるという分析結果も出ている。だだし、在職老齢年金の廃止を含めた見直しについては意見が統一されておらず、賛否が拮抗している状況だ。
     
  • 今後、在職老齢年金制度の廃止を含めた見直しに伴う年金財政の悪化とそれによる将来世代の所得代替率の低下をどのように補うか、また、再分配機能が弱まることをどのように防ぐか等について対策を講じながら見直しを推進する必要がある。


■目次

I.はじめに
II.在職老齢年金の変遷
III.高齢者の労働市場参加の現状
IV.在職老齢年金と高年齢者の就労との関係
  1.在職老齢年金の支給停止が高年齢者の就労意欲に与える影響
  2.在職老齢年金と高年齢者の就業抑制効果に関する先行研究
V.おわりに

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年03月31日「基礎研レポート」)

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生活研究部   上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計

経歴
  • プロフィール
    【職歴】
    独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職

    ・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
    ・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
    ・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
    ・2021年~ 専修大学非常勤講師
    ・2021年~ 日本大学非常勤講師
    ・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
    ・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
    ・2024年~ 関東学院大学非常勤講師

    ・2019年  労働政策研究会議準備委員会準備委員
           東アジア経済経営学会理事
    ・2021年  第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員

    【加入団体等】
    ・日本経済学会
    ・日本労務学会
    ・社会政策学会
    ・日本労使関係研究協会
    ・東アジア経済経営学会
    ・現代韓国朝鮮学会
    ・韓国人事管理学会
    ・博士(慶應義塾大学、商学)

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レポート紹介

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