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2025年01月30日
東証は開示企業一覧表を見直し~「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の開示状況~
03-3512-1855
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5――一覧表見直しの内容と背景は?
見直し①【アップデート日付】の明示
東証では、毎年少なくとも1回以上、進捗状況について開示のアップデートを企業に依頼している。今回の見直しでは開示のアップデートが行われた日付を一覧表に明示することで、投資家に情報を周知する仕組みを導入した。24年12月末時点の一覧表によると、開示内容をアップデートした企業はプライム市場で390社(開示済企業の28%)、スタンダード市場で51社(開示済企業の9%)あった。
見直し②【機関投資家からのコンタクトを希望】する企業の明示
積極的に取組みや開示を行っているものの現状では対話の相手方を見つけにくい企業を支援するため、一覧表に「機関投資家からのコンタクトを希望する企業」を明示する仕組みが導入された。企業が一覧表への掲載を希望する場合、申請フォームに必要事項を記入して東証に提出する必要がある。一方、既に十分な対話が行われている企業については申請不要としている。24年12月末時点でコンタクトを希望する企業はプライム市場で164社(開示済161社、検討中3社)、スタンダード市場で29社(開示済28社、検討中1社)あった。業種別では、卸売業、情報・通信業、銀行業に該当する企業が多く、特に銀行業は銀行業全体の29%が該当していた。(図表6)。
東証では、毎年少なくとも1回以上、進捗状況について開示のアップデートを企業に依頼している。今回の見直しでは開示のアップデートが行われた日付を一覧表に明示することで、投資家に情報を周知する仕組みを導入した。24年12月末時点の一覧表によると、開示内容をアップデートした企業はプライム市場で390社(開示済企業の28%)、スタンダード市場で51社(開示済企業の9%)あった。
見直し②【機関投資家からのコンタクトを希望】する企業の明示
積極的に取組みや開示を行っているものの現状では対話の相手方を見つけにくい企業を支援するため、一覧表に「機関投資家からのコンタクトを希望する企業」を明示する仕組みが導入された。企業が一覧表への掲載を希望する場合、申請フォームに必要事項を記入して東証に提出する必要がある。一方、既に十分な対話が行われている企業については申請不要としている。24年12月末時点でコンタクトを希望する企業はプライム市場で164社(開示済161社、検討中3社)、スタンダード市場で29社(開示済28社、検討中1社)あった。業種別では、卸売業、情報・通信業、銀行業に該当する企業が多く、特に銀行業は銀行業全体の29%が該当していた。(図表6)。
全体としてコンタクトを希望する企業の多くはPBRは相対的に低位であり、時価総額が数百億円規模の企業が占めていた。一方で、今回コンタクトを希望した企業の中には時価総額が1兆円を超える企業も8社含まれていた。
なお、東証は既に機関投資家とのコンタクトを十分に得られている企業は申請不要としており、今回コンタクトを希望しなかった企業については、既に投資家との対話が十分に行われていると考えられる一方で、対応するためのリソースが不足している可能性も考えられる。
なお、東証は既に機関投資家とのコンタクトを十分に得られている企業は申請不要としており、今回コンタクトを希望しなかった企業については、既に投資家との対話が十分に行われていると考えられる一方で、対応するためのリソースが不足している可能性も考えられる。
見直し③【検討中】の状況説明と掲載期間の設定
投資家から、「検討中」としている期間が長期化し、具体的な取組内容や開示時期の目途が分からない点が課題として指摘されていた。これを受け、東証は「検討中」の企業に対し検討プロセスや開示見込み時期の記載を改めてお願いするとともに、「検討中」として一覧表に掲載される期間を6ケ月に制限することを決定した。具体的には、24年12月末時点で「検討中」の場合は25年6月末まで、25年1月以降に新たに「検討中」とする場合は、開示から6か月後までを掲載期間とする。6ケ月が経過した時点で「検討中」のままの場合、一覧表には記載されなくなる。参考までに、24年12月末時点で「検討中」としている企業のうち6か月を超えて「検討中」のままであった企業は、プライム市場で70社、スタンダード市場で148社存在していた。さらにこの中で、プライム市場の17社、スタンダード市場の32社は、一覧表の公表が開始された23年12月末時点から24年12月末時点までの1年間にわたり「検討中」の状態が続いていた。
投資家から、「検討中」としている期間が長期化し、具体的な取組内容や開示時期の目途が分からない点が課題として指摘されていた。これを受け、東証は「検討中」の企業に対し検討プロセスや開示見込み時期の記載を改めてお願いするとともに、「検討中」として一覧表に掲載される期間を6ケ月に制限することを決定した。具体的には、24年12月末時点で「検討中」の場合は25年6月末まで、25年1月以降に新たに「検討中」とする場合は、開示から6か月後までを掲載期間とする。6ケ月が経過した時点で「検討中」のままの場合、一覧表には記載されなくなる。参考までに、24年12月末時点で「検討中」としている企業のうち6か月を超えて「検討中」のままであった企業は、プライム市場で70社、スタンダード市場で148社存在していた。さらにこの中で、プライム市場の17社、スタンダード市場の32社は、一覧表の公表が開始された23年12月末時点から24年12月末時点までの1年間にわたり「検討中」の状態が続いていた。
6――まとめ
本稿では、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示状況の進展と東京証券取引所による一覧表見直しの背景と内容を確認した。プライム市場における開示率の着実な増加や、情報開示の有無と株価動向の関係性は、適切な情報開示が投資家からの注目を高め、企業価値向上に寄与する可能性を示唆している。
今回の見直しでは、単なる開示の有無を確認するに留まらず、質的向上を目指した対応が注目される。特に、機関投資家からのより活発なコンタクトを希望する企業の明示や、「検討中」状態の長期化防止といった取り組みは、企業と投資家の間における透明性とエンゲージメントを強化する効果が期待される。東証の取組みを一つの契機として、企業と投資家双方にとって有益な市場形成が進む契機となると考えられる。
今回の見直しでは、単なる開示の有無を確認するに留まらず、質的向上を目指した対応が注目される。特に、機関投資家からのより活発なコンタクトを希望する企業の明示や、「検討中」状態の長期化防止といった取り組みは、企業と投資家の間における透明性とエンゲージメントを強化する効果が期待される。東証の取組みを一つの契機として、企業と投資家双方にとって有益な市場形成が進む契機となると考えられる。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2025年01月30日「基礎研レポート」)
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