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- ユーロ圏消費者物価(24年12月)-総合指数は3か月連続上昇、2.4%に
2025年01月08日
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1.結果の概要:総合指数は3か月連続で上昇
1月7日、欧州委員会統計局(Eurostat)は12月のユーロ圏のHICP(Harmonized Indices of Consumer Prices:EU基準の消費者物価指数)速報値を公表し、結果は以下の通りとなった。
【総合指数】
・前年同月比は2.4%、市場予想1(2.4%)と一致、前月(2.2%)から上昇した(図表1)
・前月比は0.4%、予想(0.4%)と一致、前月(▲0.3%)からプラスに転じた
【総合指数からエネルギーと飲食料を除いた指数2】
・前年同月比は2.7%、予想(2.7%)と一致、前月(2.7%)から横ばいだった(図表2)
・前月比は0.5%、前月(▲0.6%)からプラスに転じた
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:物価上昇の勢いはコア・総合指数ともに目標前後で推移
12月のHICP上昇率3(前年同月比)は全体で2.4%となり、11月(2.2%)から上昇した。9月(1.7%)をボトムに3か月連続の上昇となる。「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」は2.7%で4か月連続の横ばい推移となる。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が10月0.5%→11月0.6%→12月0.5%となった。「財」はここのところ0%台半ばでの横ばい圏で推移している。「サービス」(エネルギーを除く)は10月4.0%→11月3.9%→12月4.0%と4%前後の高めの水準での横ばい推移が継続している。前年同月比寄与度は、「財」が0.12%ポイント程度、「サービス」が1.65%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で10月▲4.6%→11月▲2.0%→12月0.1%とプラスに転じた。エネルギーの前年同月比寄与度は0.01%ポイント程度(11月は▲0.19%ポイント)と見られる(前掲図表2)。
以下、詳細を「コア部分」「エネルギー」「飲食料(アルコール含む)」の3つに分けて見ていく。
まず、コア部分である「エネルギーと飲食料を除く総合」の内訳を見ると、「エネルギーを除く財(飲食料も除く)」が10月0.5%→11月0.6%→12月0.5%となった。「財」はここのところ0%台半ばでの横ばい圏で推移している。「サービス」(エネルギーを除く)は10月4.0%→11月3.9%→12月4.0%と4%前後の高めの水準での横ばい推移が継続している。前年同月比寄与度は、「財」が0.12%ポイント程度、「サービス」が1.65%ポイント程度と見られる。
コア以外の部分では「エネルギー」が前年同月比で10月▲4.6%→11月▲2.0%→12月0.1%とプラスに転じた。エネルギーの前年同月比寄与度は0.01%ポイント程度(11月は▲0.19%ポイント)と見られる(前掲図表2)。
「飲食料(アルコール含む)」は、前年同月比で2.7%(11月2.7%)と横ばい(図表3)、内訳を見ると、飲食料のうち加工食品の伸び率は2.9%(11月2.8%)でやや上昇、未加工食品は1.7%(11月2.3%)と低下した。飲食料の前年同月比寄与度は0.58%ポイント程度(11月は0.53%ポイント)と見られる。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が1.9%(11月1.6%)、コアが1.9%(11月2.0%)、エネルギーを除く財が0.4%(11月0.6%)、サービスが2.7%(11月2.8%)、飲食料が4.2%(11月4.5%)となった。飲食料が高めの伸びだが、サービスおよび財は減速傾向が続いており、総合指数やコアの物価上昇の勢いはいずれも2%前後での推移となっている。
物価上昇の勢いをECBが公表する季節調整済系列で確認すると(図表4)、3か月移動平均後の3か月前比年率で総合指数が1.9%(11月1.6%)、コアが1.9%(11月2.0%)、エネルギーを除く財が0.4%(11月0.6%)、サービスが2.7%(11月2.8%)、飲食料が4.2%(11月4.5%)となった。飲食料が高めの伸びだが、サービスおよび財は減速傾向が続いており、総合指数やコアの物価上昇の勢いはいずれも2%前後での推移となっている。
国別のHICP上昇率は、前年同月比で20か国中、上昇したのは14か国、残りの6か国は低下した(図表5)。また、物価目標の2%を下回ったのは7か国だった。なお、前月比では20か国中15か国がプラス、5か国がマイナスの伸び率となった(図表6)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
3 23年からはユーロ圏20か国のデータ、22年までは19か国のデータ(以降も特に断りがない限り同様)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2025年01月08日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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