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ホテル市況は好調持続。物流市場は空室率が高止まり-不動産クォータリー・レビュー2024年第3四半期
基礎研REPORT(冊子版)12月号[vol.333]

金融研究部 主任研究員 吉田 資
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住宅市場では、価格上昇が継続するなか、販売状況は低調である。地価は住宅地、商業地ともに上昇している。
オフィス賃貸市場は、東京Aクラスビルの成約賃料(月坪)は4四半期連続で上昇した。東京23区のマンション賃料は全ての住居タイプが前年比でプラスとなった。ホテル市場は2024年7-9月の延べ宿泊者数が2019年対比で+7.3%増加した。物流賃貸市場は、首都圏の空室率が10.1%と高止まりしている。第3四半期の東証REIT指数は+0.1%上昇した。
1―経済動向と住宅市場
ニッセイ基礎研究所は、9月に経済見通しの改定を行った。実質GDP成長率は2024年度+0.7%、2025年度+1.1%を予想する。2024年度後半以降は、民間消費、設備投資を中心に潜在成長率を若干上回る年率1%前後の成長が続く見通しである。
住宅市場では、住宅価格の上昇が続くなか、販売状況などは低調である。
9月の首都圏のマンションの平均価格は7,739万円(前年同月+15.0%)と上昇した。一方、7-9月の新規発売戸数は、4,054戸(前年同期比▲34.4%)と減少した[図表1]。
また、2024年8月の住宅価格指数(首都圏中古マンション)は前月比+0.2%、過去1年間の上昇率は+6.6%となった。一方、7-9月の首都圏の中古マンション成約件数は、8,539件(前年同期比▲2.9%)となり5四半期ぶりに減少した。
2―地価動向
3―不動産サブセクターの動向
三幸エステート公表の「オフィスレント・インデックス」によると、2024年第3四半期の東京都心部Aクラスビル賃料(月坪)は26,796円( 前期比+0.0%、前年同期比+8.7%)と4四半期連続で上昇し、空室率は6.4%(前期比+0.7%、前年同期比▲0.3%)となった[図表2]。三幸エステートは、「供給量がピークを越えたことに加え、オフィス需要は拡大傾向が続いていることから、来期の空室率は改善する可能性が高い」としている。
ニッセイ基礎研究所は、東京都心部Aクラスビルの賃料見通しを9月に改定した。空室率は2024年にやや改善した後、6%付近で推移すると予測する。また、成約賃料(2023年=100)は、2024年に「107」、2025 年に「109」、2028 年に「104」となる見通しである。
東京オフィス市場では賃料の回復基調が明確になっているものの、来年にオフィスの大量供給を控えるなか、需要拡大に伴う賃料上昇の持続性が試されることになる。
4―J -REIT(不動産投信)市場
* 市場時価総額がリートの解散価値(NAV:Net Asset Value)の何倍で評価されているかを表わす指標。
(2024年12月06日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1861
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
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