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子育て世帯の定額減税に対する意識-控除額の多い多子世帯で認知度高、使途は生活費の補填、貯蓄
生活研究部 上席研究員 久我 尚子
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- ニッセイ基礎研究所が子育て世帯を対象に実施した調査によると、6月に実施された所得税・住民税について過半数が減税額まで認知しており、減税額までは知らない層をあわせると認知度は7割を超えていた。子どもが3人以上などの多子世帯では、控除額が大きくなるためか、認知度は8割を占めた。
- 定額減税によって増えた所得の使途は、「特に考えていない」との回答が3割を超えたが、使途が決まっている場合は生活費の補填や貯蓄が上位にあがり、娯楽費よりも必需性の高い目的に充てられる傾向があった。また、多子世帯では使途に対する意識が高く、世帯年収700万円以上では「レジャー」などの娯楽費が貯蓄を上回っていた。
- 調査では岸田政権の少子化対策への期待感についても尋ねたところ、期待できるとの回答は約2割にとどまったが、経済支援策の拡充で恩恵が比較的大きな多子世帯や高所得世帯でやや多くなっていた。期待する理由の上位には家計や教育費の負担軽減といった経済支援策が上がり、若い世代や多子世帯では子育てにおける不安解消や両立しやすさ(配偶者もあわせて)といった環境面の支援策を評価する傾向もあった。
- 政府は、春闘による賃上げが給与に反映される時期に定額減税の実施を重ねることで、国民が手取りの増加を実感して消費が活性化され、デフレからの完全脱却を目指すシナリオを描いている。しかし、現状、所得の増加は一時的なものとの認識からか、消費低迷が続いている。裏を返せば、所得増が継続的であるとの認識が広がれば消費は改善に向かう。また、若者の経済基盤が安定化することは、少子化抑制にもつながる。
■目次
1――はじめに
~6月に実施された所得税・住民税の定額減税、その認知状況と使途は?
2――定額減税の認知状況
~認知度は7割超、控除額の大きな多子世帯ほど認知
3――定額減税で増えた所得の使途
~首位は「生活費の補填」、次いで「貯蓄」、「考えていない」も目立つ
4――岸田政権の少子化対策への期待
~期待できないが過半数、期待層は主に経済支援策に期待
1|期待感
~期待できないが過半数、ただし経済支援策の拡充対象の多子世帯や高所得層で期待感高め
2|期待する理由
~家計の負担軽減が約半数、若い世代で両立のしやすさなど環境面の支援を評価
5――おわりに
~一時的ではなく継続的な所得増が個人消費の改善、少子化抑制にもつながる
(2024年08月30日「基礎研レポート」)
03-3512-1878
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
久我 尚子のレポート
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