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首都圏中古マンション市場動向(2024年6月)~成約価格上昇と成約件数増加が継続。東京では新規成約率の改善と在庫戸数の減少が目立つ

金融研究部 准主任研究員 渡邊 布味子
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成約価格上昇と成約件数増加が継続。好条件のマンションを中心に取引が増加
また、成約価格は4,956万円(前年同月比+7.5%)と2020年6月から49カ月連続で上昇となった。これに対して、新規登録価格と在庫価格は横ばい傾向にあり、売りに出された中古マンションのうち、「立地が良く築年が浅い」といった相対的に好条件のマンションを中心に取引が増加するなか、成約価格とのかい離が拡大している。新規登録価格(4,294万円、前年同月比+4.7%)の上昇率は成約価格の伸びを下回り、在庫価格(4,062万円、前年同月比▲0.7%)は5カ月連続でマイナスとなった(図表2)。
新規成約率が改善するなか在庫戸数が減少。築古物件の売却難易度は高い
こうしたなか、築30年を超えたマンション売却の難易度が高まっているようだ。成約物件の平均築年数が24.4年(前年同月差+0.5年、2019年同月差+2.4年)と足もとで概ね横ばいで推移する一方、新規登録物件の築年数は30.3年(前年同月差+1.0年、2019年同月差+4.6年)、在庫物件の築年数は30.0年(同+1.5年、同+5.6年)に上昇し、成約物件とのかい離が見られる(図表4)。
1 当月の成約件数を2カ月前の新規登録件数で割った数値。売れ行きを示す指標で、高いほど良い。
エリア別の動向。東京では新規成約率の改善と在庫戸数の減少が目立つ
首都圏中古マンション市場は、新築マンション価格に対する相対的な割安感などを背景に、価格の上昇と成約件数の増加が継続すると考えられる。ただし、日銀の金融政策正常化に伴い、今年後半より変動型の住宅ローン金利も上昇に向かうことが予想され、マンション需要への影響を注視する必要がありそうだ。
2 東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県。
3 不動産経済研究所によると、2024年上期の東京23区の新築マンション発売戸数は3,319戸(前年同期比▲32.3%)、平均価格は1億855万円(同▲16.3%)となった。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年07月29日「基礎研レター」)

03-3512-1853
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
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