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【社会増減データ報】2023年「日本人」社会増減・47都道府県ランキング-地方大都市圏の「雇用人口ダム機能崩壊」が原因
生活研究部 人口動態シニアリサーチャー 天野 馨南子
1――「日本人」増加わずか6エリア
雇用時期(後述)における「若年女性人口移動のデッドエンドエリア」の筆頭格ともいえるエリアが東京都であることを理解しなければ、地方創生などありえないと筆者は考えている。
しかしその一方で、大阪府は東京都に▲7261人、神奈川県に▲1563人、埼玉県に▲553人、千葉県に▲666人、合計1万43人の日本人を転出超過させている。
大阪府は東京一極集中に大きく貢献しているだけでなく、東京圏全エリア(1都3県)に社会増をもたらしているという状態であり「関西エリアから広く若年人口を集めつつも、東京圏へ大量に若年人口を送り出す東京圏への若年人口供給地」という状況を続けている。
転入超過数6位の福岡県も同様である。
福岡県周辺には、福岡県の1000人以上の転入超過元となっている県が6エリアあり、6エリアで合計1万267人の日本人社会増をもたらしている。
2019年から転出超過が止まらなくなっている、愛知県が1リードするはずの中京圏も同様である。
愛知県に1000人以上転入超過しているのは、岐阜県2340人、静岡県1089人、三重県1979人で、この3エリアで5408人となるが、その一方で、大阪府に▲1162人、埼玉県に▲622人、千葉県に▲1300人、東京都に▲6710人、神奈川県に▲2288人と、東京圏にだけでも1万920人を転出超過させて2023年は日本人が転出超過するエリアワースト19位(41エリア中)の座にある(図表2-2)。つまり、「中京エリアから広く若年人口を集めつつも、東京圏へ大量に若年人口を送り出す東京圏への若年人口供給地」となっている。
1 このことについて、2020年にある経済団体主催の講演会で講演を実施した際、「講師のお見立てででは愛知県がいずれ転出超過になるというご意見ですが・・・」と、すでに転出超過になっているとの説明が一向に頭に入ってこない聴講者からの質問があり、「すでに転出超過となっています。この流れは社会減の統計的な意味を考えれば、今後悪化すると思います」という説明を繰り返した。このように「確証バイアス」による地元イメージが堅固なあまり、取るべき対策の重要性を理解できない者が少なからずみられるのが、地方創生議論における目立つ特徴の1つでもある。
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- プロフィール
1995年:日本生命保険相互会社 入社
1999年:株式会社ニッセイ基礎研究所 出向
・【総務省統計局】「令和7年国勢調査有識者会議」構成員(2021年~)
・【こども家庭庁】令和5年度「地域少子化対策に関する調査事業」委員会委員(2023年度)
※都道府県委員職は就任順
・【富山県】富山県「県政エグゼクティブアドバイザー」(2023年~)
・【富山県】富山県「富山県子育て支援・少子化対策県民会議 委員」(2022年~)
・【三重県】三重県「人口減少対策有識者会議 有識者委員」(2023年~)
・【石川県】石川県「少子化対策アドバイザー」(2023年度)
・【高知県】高知県「中山間地域再興ビジョン検討委員会 委員」(2023年~)
・【東京商工会議所】東京における少子化対策専門委員会 学識者委員(2023年~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する情報発信/普及啓発検討委員会 委員長(2021年~)
・【主催研究会】地方女性活性化研究会(2020年~)
・【内閣府特命担当大臣(少子化対策)主宰】「少子化社会対策大綱の推進に関する検討会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府男女共同参画局】「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」構成員(2021年~2022年)
・【内閣府委託事業】「令和3年度結婚支援ボランティア等育成モデルプログラム開発調査 企画委員会 委員」(内閣府委託事業)(2021年~2022年)
・【内閣府】「地域少子化対策重点推進交付金」事業選定審査員(2017年~)
・【内閣府】地域少子化対策強化事業の調査研究・効果検証と優良事例調査 企画・分析会議委員(2016年~2017年)
・【内閣府特命担当大臣主宰】「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」構成メンバー(2016年)
・【富山県】富山県成長戦略会議真の幸せ(ウェルビーイング)戦略プロジェクトチーム 少子化対策・子育て支援専門部会委員(2022年~)
・【長野県】伊那市新産業技術推進協議会委員/分野:全般(2020年~2021年)
・【佐賀県健康福祉部男女参画・こども局こども未来課】子育てし大県“さが”データ活用アドバイザー(2021年~)
・【愛媛県松山市「まつやま人口減少対策推進会議」専門部会】結婚支援ビッグデータ・オープンデータ活用研究会メンバー(2017年度~2018年度)
・【愛媛県法人会連合会】結婚支援ビッグデータアドバイザー会議委員(2020年度~)
・【愛媛県法人会連合会】結婚支援ビッグデータ活用研究会委員(2016年度~2019年度)
・【中外製薬株式会社】ヒト由来試料を用いた研究に関する倫理委員会 委員(2020年~)
・【公益財団法人東北活性化研究センター】「人口の社会減と女性の定着」に関する意識調査/検討委員会 委員長(2020年~2021年)
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