2024年01月16日

気候変動と健康の議論-COP28の「気候と健康宣言」-何が宣言されたのか?

保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也

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■要旨

昨年、ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)では、初めて、「気候変動と健康」をテーマに会合が開かれた。気候変動が人々の健康に与える影響について論じられ、「気候と健康宣言」に至った。これは、画期的な出来事であり、国内外のメディアで取り上げられた。

本稿では、COP28をはじめ、関係する諸資料をもとに、その内容を見ていくこととしたい。

■目次

1――はじめに
2――気候と健康宣言の内容
  1|気候と健康の問題に関する会合が初めて開催され、宣言が採択された
  2|資金提供の面から支援を行うための指針が示された
3――気候変動が健康に与える影響
  1|蚊やダニが熱帯性感染症を媒介
  2|食料と水による感染症も健康を悪化させる
  3|大気汚染による死亡は増加
  4|影響は、メンタルヘルスにも及ぶ
  5|医療制度にも影響が及ぶ
  6|影響は、脆弱な人々に不均衡に及ぶ
4――気候と健康のソリューション
  1|気候変動の健康への影響への対応として8つのケーススタディが示されている
  2|熱波との闘いのため、個人、地域、都市の3つのレベルでの活動を進めている
  3|蚊媒介感染症拡大への対応策として、ボルバキア細菌の導入が模索されている
  4|保健制度からの温室効果ガス排出削減取り組みとして、14のケーススタディが
   挙げられている
  5|汚染物質への取り組み等として2つのケーススタディが示されている
  6|大気汚染の発生源を特定することで、各都市での効果的な政策決定を促した
5――おわりに (私見)
 

(2024年01月16日「基礎研レター」)

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保険研究部   主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員

篠原 拓也 (しのはら たくや)

研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務

経歴
  • 【職歴】
     1992年 日本生命保険相互会社入社
     2014年 ニッセイ基礎研究所へ

    【加入団体等】
     ・日本アクチュアリー会 正会員

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