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- インド消費者物価(23年12月)~12月のCPI上昇率は食品インフレで2ヵ月連続の上昇
地域別の上昇率をみると、都市部は前年同月比5.5%(前月:同5.3%)、農村部は同5.9%(前月:同5.8%)となり、それぞれ小幅に上昇した。
12月のCPIの内訳をみると、燃料・電力の下落が続いたものの、食品価格が上昇してCPIを押し上げた。
まず食品は前年同月比9.5%となり、前月の同8.7%から上昇して4カ月ぶりの高水準となった(図表2)。食品のうち、価格変動の大きい野菜(同27.6%)は前月の同17.7%から更に上昇した。野菜価格は7-8月に急上昇して9-10月に一旦低下したが、11月から再び高騰している。タマネギとトマトの価格はそれぞれ前月比▲16.1%、同▲9.4%と下落したものの、オクラとニンニクの価格がそれぞれ同21.4%、同19.0%と大きく上昇した。野菜のほか、豆類(前年同月比20.7%)や穀物製品(同9.9%)、香辛料(同19.7%)、果物(11.1%)の価格が高止まりした。一方、食用油(同▲15.0%)の価格下落が続いたほか、牛乳・乳製品(同5.1%)と加工食品(同4.1%)は比較的落ち着いた値動きとなった。
燃料・電力は前年同月比▲1.0%となり、11月の同▲0.8%から減少幅が広がった。
コアCPI(食品、燃料を除く総合)は前年同月比3.9%(11月:同4.1%)となり、低下基調が続いた。保健(同5.1%)や教育(同4.8%)、衣服・靴(同3.6%)、輸送・通信(同2.0%)、家庭用品・サービス(同3.4%)など幅広い品目が11月の水準を下回った。
インドは今年4~5月に総選挙を予定しており、政府は食品価格の安定に向けて輸出抑制策を次々と講じている。政府はタマネギ価格を抑制するため、10月末に年内までタマネギに最低輸出価格を設定して価格の安定化を図ろうとしたが、値上がりが解消しなかったため、12月7日にタマネギの輸出禁止措置に踏み切ると共に、製糖工場に対してサトウキビを使ったエタノールの生産停止(後日、数量制限に変更)を指示している。
1 Bloomberg集計の中央値。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2024年01月15日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1780
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
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