2023年12月01日

2024年はどんな年? 金融市場のテーマと展望

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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3.金融市場(11月)の振り返りと予測表

(10年国債利回り)
11月の動き(↘) 月初0.9%台半ばでスタートし、月末は0.6%台後半に。
月初、前日のYCCの再修正を受けて1%の節目に肉薄したが、FOMCを受けた米利上げ観測の後退や雇用者数ほか米経済指標の鈍化による米金利低下が波及して低下に向かい、8日には0.8%台半ばに。その後しばらく横ばい圏での推移を経た後、米CPIの鈍化等に伴う利上げ観測後退により、17日には0.7%台半ば、21日には0.6%台後半まで低下した。翌22日には日銀が国債買入れ額を減額したことを受けて0.7%台に持ち直し、しばし0.7%台で推移。月の終盤には、タカ派と目されるFRB高官の発言がハト派的と解釈されて再び0.7%を割り込み、0.6%台後半で終了した。
日米長期金利の推移(直近1年間)/日本国債イールドカーブの変化
日経平均株価の推移(直近1年間)/主要国株価の騰落率(11月)
(ドル円レート)
11月の動き(↘) 月初151円台前半でスタートし、月末は147円付近に。
月初、FOMCや雇用者数ほか米経済指標の鈍化に伴う米利上げ観測の後退によってドル売りが優勢となり、6日に149円台まで下落。その後はパウエルFRB議長講演などを受けて米利上げ観測が再燃してドルが持ち直し、13日には151円台後半に達したが、円買い介入への警戒感が上値を抑えた。中旬には米CPIの鈍化などを受けて米利上げ打ち止め観測が広がったことでドル安基調となり、21日には148円付近に。下旬には一旦ドル高に振れる場面があったものの、米経済指標が下振れたほか、タカ派と目されるFRB高官の発言がハト派的と解釈されたことで再びドル安に。月末は147円付近で終了した。
ドル円レートの推移(直近1年間)/ユーロドルレートの推移(直近1年間)
(ユーロドルレート)
11月の動き(↗) 月初1.05ドル台半ばでスタートし、月末は1.09ドル台前半に。
月初、FOMCや雇用者数ほか米経済指標の鈍化に伴う米利上げ観測の後退によってドル売りが優勢となり、6日には1.07ドル台半ばへ。翌7日に低調な独経済指標を受けて1.06ドル台へやや下落し、しばらく同水準での推移に。中旬には米CPIの鈍化などを受けて米利上げ打ち止め観測が広がったことでドル売りやリスク選好的なユーロ買いが進み、21日には1.09ドル台半ばに到達。月終盤にはタカ派と目されるFRB高官の発言がハト派的と解釈されたことでドル安圧力が高まったものの、ユーロ圏の消費者物価指数鈍化に伴うユーロ売りも入り、月末は1.09ドル台前半で終了した。
金利・為替予測表(2023年12月1日現在)
 
 

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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

(2023年12月01日「Weekly エコノミスト・レター」)

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