- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- ユーロ圏GDP(2023年4-6月期)-前期比成長率は小幅に加速
2023年08月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.結果の概要:前期比成長率は加速
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様
2.結果の詳細:成長率の改善幅は小幅にとどまる
2023年4-6月期の成長率は前期比0.3%(年率換算1.1%)だった。22年10-12月期の小幅マイナス成長(前期比▲0.1%、年率換算▲0.2%)、1-3月期のゼロ成長(前期比0.0%、年率換算0.1%)からやや加速し、実質GDPの水準はコロナ禍前(19年10-12月期)と比較して+2.7%の水準となっている。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(1-3月期▲0.1%)、フランス0.5%(1-3月期0.1%)、イタリア▲0.3%(1-3月期0.6%)、スペイン0.4%(1-3月期0.5%)となり、ドイツとフランスは1-3月期から改善、イタリアとスペインは1-3月期から悪化した。
公表された10か国のうちではイタリアのほか、ラトビア(前期比▲0.6%)とオーストリア(前期比▲0.4%)がマイナスとなり、残りの7か国もアイルランド(前期比3.3%)とリトアニア(前期比2.8%)を除き、0%台前半から半ばの小幅なプラスにとどまっている(図表3)。一方、実質GDPの水準は、これまでコロナ禍からの回復が遅れていたドイツやスペインを含めて、コロナ禍前を上回った(図表4)。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると、前期比ではドイツ0.0%(1-3月期▲0.1%)、フランス0.5%(1-3月期0.1%)、イタリア▲0.3%(1-3月期0.6%)、スペイン0.4%(1-3月期0.5%)となり、ドイツとフランスは1-3月期から改善、イタリアとスペインは1-3月期から悪化した。
公表された10か国のうちではイタリアのほか、ラトビア(前期比▲0.6%)とオーストリア(前期比▲0.4%)がマイナスとなり、残りの7か国もアイルランド(前期比3.3%)とリトアニア(前期比2.8%)を除き、0%台前半から半ばの小幅なプラスにとどまっている(図表3)。一方、実質GDPの水準は、これまでコロナ禍からの回復が遅れていたドイツやスペインを含めて、コロナ禍前を上回った(図表4)。
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.3%(前期0.0%)、政府消費▲0.0%(前期▲0.2%)、投資0.1%(前期▲0.4%)、輸出2.6%(前期▲0.8%)、輸入0.4%(前期▲2.0%)となった(図表5)。在庫変動は前期比寄与度▲0.1%ポイント、純輸出が前期比寄与度0.7%ポイントであり、フランスでは内需が弱い状況が継続している。
産業別の付加価値は、工業が1.4%(前期0.6%)、建設業が1.2%(前期0.7%)、市場型サービス産業0.8%(前期▲0.1%)、非市場型サービス0.1%(前期0.5%)となり、非市場型サービスを除き、概ね成長が加速している。より細かい業種では、鉱業のうち電気・ガス・水道が前期比2.3%(前期▲0.0%)と高めの成長率を記録したほか、1-3月期に比較的大きなマイナスとなった輸送業(1.4%、前期▲1.6%)や居住・飲食業(0.7%、前期▲0.8%)もプラス成長に転じている。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.3%(前期0.0%)、政府消費▲0.0%(前期▲0.2%)、投資0.1%(前期▲0.4%)、輸出2.6%(前期▲0.8%)、輸入0.4%(前期▲2.0%)となった(図表5)。在庫変動は前期比寄与度▲0.1%ポイント、純輸出が前期比寄与度0.7%ポイントであり、フランスでは内需が弱い状況が継続している。
産業別の付加価値は、工業が1.4%(前期0.6%)、建設業が1.2%(前期0.7%)、市場型サービス産業0.8%(前期▲0.1%)、非市場型サービス0.1%(前期0.5%)となり、非市場型サービスを除き、概ね成長が加速している。より細かい業種では、鉱業のうち電気・ガス・水道が前期比2.3%(前期▲0.0%)と高めの成長率を記録したほか、1-3月期に比較的大きなマイナスとなった輸送業(1.4%、前期▲1.6%)や居住・飲食業(0.7%、前期▲0.8%)もプラス成長に転じている。
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費1.6%(前期▲1.4%)、政府消費1.5%(前期▲1.6%)、投資4.6%(前期1.7%)、輸出▲4.1%(前期5.6%)、輸入▲1.0%(前期2.7%)となり、スペインでは消費や投資など内需が持ち直している(図表6)。産業別には、工業が▲1.6%(前期1.0%)、建設業が2.8%(前期2.4%)、サービス業が1.0%(前期▲0.0%)となり、細かい業種で見ると、製造業(▲1.2%、前期1.6%)の落ち込みが目立った。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年08月02日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/21 | 英国金融政策(3月MPC公表)-据え置きを決定、慎重な利下げペースを維持 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/17 | 欧州経済見通し-緩慢な回復、取り巻く不確実性は大きい | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/14 | ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【ユーロ圏GDP(2023年4-6月期)-前期比成長率は小幅に加速】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
ユーロ圏GDP(2023年4-6月期)-前期比成長率は小幅に加速のレポート Topへ