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- 消費者物価(全国23年6月)-コアCPIは夏場以降、2%台の伸びが続く見込み
2023年07月21日
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1.電気代の値上げがコアCPIを押し上げ
コアCPIの内訳をみると、ガス代(5月:前年比2.0%→6月:同▲1.1%)は1年10ヵ月ぶりに下落に転じたが、電気代(5月:前年比▲17.1%→6月:同▲12.4%)、ガソリン(5月:前年比▲1.7%→6月:同▲1.6%)、灯油(5月:前年比▲2.5%→6月:同▲2.2%)の下落率が縮小したことから、エネルギー価格の下落率は5月の前年比▲8.2%から同▲6.6%へと縮小した。ガソリン、灯油は6月から燃料油価格激変緩和措置の補助が段階的に縮減されていることが価格の押し上げにつながっている。
食料(生鮮食品を除く)は前年比9.2%(5月:同9.2%)となり、上昇率は前月と変らなかった。麺類(同11.8%)、菓子類(同10.8%)、調理食品(同9.9%)など、原材料費の上昇を価格転嫁する動きは続いているが、外食が前年比6.0%(5月:同6.4%)と3ヵ月連続で伸びが鈍化した。サービスは前年比1.6%(5月:同1.7%)と上昇率が縮小した。外食の伸びが鈍化したほか、全国旅行支援による押し下げ幅拡大から、宿泊料(5月:前年比9.2%→5月:同5.5%)の伸びが鈍化した。なお、全国旅行支援の影響を除いた宿泊料は23年4月の前年比13.1%から5月が同14.3%、6月が同18.6%(いずれも当研究所の試算値)と上昇ペースが加速している。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲0.58%(5月:▲0.72%)、食料(除く生鮮食品・外食)が1.88%(5月:1.86%)、その他財が1.23%(5月:1.20%)、サービスが0.89%(5月:0.91%)、全国旅行支援が▲0.13%(5月:同▲0.05%)であった。
2.物価上昇品目の割合は8割越えが続く
3.物価上昇の中心は財からサービスへ
6月の電気代は、規制料金の値上げによって下落率が縮小したが、原油、LNG等の燃料価格の下落を反映し、7月以降は下落率が再び拡大する。コアCPI上昇率は23年夏場には2%台まで鈍化する公算が大きい。
物価高の主因となっていた輸入物価の上昇には歯止めがかかっており、23年6月には前年比▲11.3%の大幅マイナスとなった。このため、今後は原材料コストを価格転嫁する動きが徐々に弱まり、財価格の上昇率は鈍化することが見込まれる。
一方、上昇率の拡大が続いていたサービス価格は伸びが鈍化したが、その一因は全国旅行支援の影響拡大による宿泊料の伸び率低下である。また、外食の伸びは3ヵ月連続で鈍化したが、原材料費の上昇を価格転嫁する動きが一段落したことが主因と考えられ、今後は人件費の上昇を価格転嫁する動きが広がることが予想される。物価上昇の中心は、これまでの財からサービスへ徐々にシフトしていく公算が大きい。
現時点では、電気・都市ガス料金の補助金が10月に半減された上で継続することを前提として、コアCPIは23年末まで2%台の伸びが続くと予想している。
物価高の主因となっていた輸入物価の上昇には歯止めがかかっており、23年6月には前年比▲11.3%の大幅マイナスとなった。このため、今後は原材料コストを価格転嫁する動きが徐々に弱まり、財価格の上昇率は鈍化することが見込まれる。
一方、上昇率の拡大が続いていたサービス価格は伸びが鈍化したが、その一因は全国旅行支援の影響拡大による宿泊料の伸び率低下である。また、外食の伸びは3ヵ月連続で鈍化したが、原材料費の上昇を価格転嫁する動きが一段落したことが主因と考えられ、今後は人件費の上昇を価格転嫁する動きが広がることが予想される。物価上昇の中心は、これまでの財からサービスへ徐々にシフトしていく公算が大きい。
現時点では、電気・都市ガス料金の補助金が10月に半減された上で継続することを前提として、コアCPIは23年末まで2%台の伸びが続くと予想している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年07月21日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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