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- ロシアの物価状況(23年6月)-前年比で3%台まで上昇
2023年07月13日
1.結果の概要:前年比で3%台まで上昇
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 生鮮食品など季節的要因による影響を受ける品目や管理品目を除いた指数。
2.結果の詳細:前月比では食料品を除く伸び率が高い
6月のロシアのインフレ率は前年比で3.25%となり、4月の2.51%から上昇した。ベース効果で3月以降の伸び率が低下しているなか、5・6月と2か月連続で上昇したことになる。ただし、ロシア中銀のインフレ目標(4%)は下回った状態が続いている。
インフレ率を大分類別に見ると、6月の前年比伸び率は食料品が0.18%、財(非食料品)が0.99%、サービスが0.96%となっている。食料品は2か月連続のマイナスからプラスに転じた。財もやや伸び率を高めた。サービスはやや減速したが、2か月連続で2桁台の伸び率となっている。寄与度で見ると、サービスのみが全体の物価を押し上げている構図が続いている(図表1)。
6月の前月比伸び率は、総合指数で0.37%、コア指数で0.49%となった。前月に続き総合指数はコロナ禍前のペース程度で推移、コア指数の伸び率はやや高めという状況にある(例えば2018年の前月比伸び率は平均で総合指数が約0.35%、コア指数が約0.30%、図表3)。大分類では食料品が▲0.01%、財(非食料品)が0.42%、サービスが0.83%となり、食料品以外がやや高めの伸び率となっている。
インフレ率を大分類別に見ると、6月の前年比伸び率は食料品が0.18%、財(非食料品)が0.99%、サービスが0.96%となっている。食料品は2か月連続のマイナスからプラスに転じた。財もやや伸び率を高めた。サービスはやや減速したが、2か月連続で2桁台の伸び率となっている。寄与度で見ると、サービスのみが全体の物価を押し上げている構図が続いている(図表1)。
6月の前月比伸び率は、総合指数で0.37%、コア指数で0.49%となった。前月に続き総合指数はコロナ禍前のペース程度で推移、コア指数の伸び率はやや高めという状況にある(例えば2018年の前月比伸び率は平均で総合指数が約0.35%、コア指数が約0.30%、図表3)。大分類では食料品が▲0.01%、財(非食料品)が0.42%、サービスが0.83%となり、食料品以外がやや高めの伸び率となっている。
別途、ロシア連邦統計局が公表している週次のインフレ率(消費者物価上昇率)を見ると、前週比上昇では、最新の7月10日時点の前週比で0.14%となり、コロナ禍前並みの上昇率にとどまっており、品目全体で見ると高いインフレ圧力は見られない(図表4)。
各品目の消費ウエイトも考慮して、全体のインフレ率への寄与を品目別に見ると(図表7・8)、前年比上昇率への寄与が大きい品目は住居・公益サービス(1.26%ポイント)、家庭サービス(0.30%ポイント)、旅客サービス(0.29%ポイント)、海外旅行サービス(0.29%ポイント)となった。一方、パスタ・穀物(▲0.14%ポイント)、通信機器(▲0.12%ポイント)、電化製品(▲0.10%ポイント)は前年比でのマイナス寄与が相対的に大きい。
一方、前月比上昇率の寄与では肉製品(約0.10%ポイント)、その他サービス(約0.08%ポイント)、ガソリン(約0.07%ポイント)、乗用車(約0.06%ポイント)の押し上げ寄与が大きく、青果物(約▲0.10%ポイント)の押し下げ寄与が大きかった。
一方、前月比上昇率の寄与では肉製品(約0.10%ポイント)、その他サービス(約0.08%ポイント)、ガソリン(約0.07%ポイント)、乗用車(約0.06%ポイント)の押し上げ寄与が大きく、青果物(約▲0.10%ポイント)の押し下げ寄与が大きかった。
13 大分類である食料品、財(非食料品)、サービスをそれぞれ細目別に分類したもの(中分類)を記載。
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(2023年07月13日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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