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身近に潜む子どもの事故(3)-日米ともに0歳は窒息に注意、15歳以上では日常生活で曝露可能性のある有害物質による中毒やレジャーでの溺死に要注意-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
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本稿では、「不慮の事故(傷害)」の内訳に関する統計データを用いて、日米で比較し分析した。
その結果、人口動態統計から捉える日本の不慮の事故の特徴として、0歳児では窒息、15歳以上で溺死による死亡や有害物質による暴露が死因要因として特徴的であることが明らかとなった。
また、CDCが公表する傷病レポートより、2020年米国の不慮の事故(傷害)の特徴として、0歳では(日本同様)窒息による死亡数が最も多く、1-4歳では溺死、5歳以上では交通事故による負傷が致命傷となる傾向が明らかとなった。
日米ともに、発育発達が未熟な0歳児では窒息に留意する必要があることは共通していた。また、行動範囲が拡大するものの、リスク回避や安全を保つことが困難である1歳-4歳の年齢層では溺死に結びつく可能性のある水回りに留意する必要が明らかとなった。
さらに、社会生活に伴う移動が増加する5歳以上の年齢層では、交通事故に留意する必要があることが示唆される結果となった。
子どもを持つ保護者や周りの大人は、本稿を参考にしながら子どもの発達段階に伴う不慮の事故に留意していただきたい。引き続き、子どもの健康や安全に関する情報発信に努める。
■目次
1――はじめに
2――2022年人口動態統計から捉える、日本の不慮の事故詳細
2-1|日本の家庭における「不慮の事故」では、0歳が窒息、15歳以上で溺死や
中毒死が特徴的
3――2020年CDC統計レポートから捉える、米国の子どもにおける不慮の事故詳細
3-1|2020年米国の0歳における不慮の事故内訳
3-2|2020年米国の1歳-4歳における不慮の事故内訳
3-3|2020年米国の5歳-9歳における不慮の事故内訳
3-4|2020年米国の10歳-14歳における不慮の事故内訳
3-5|2020年米国の15歳-24歳における不慮の事故内訳
4――まとめ
(2023年06月13日「基礎研レポート」)
関連レポート
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
・大阪市立大学(現:大阪公立大学)研究員(2019年~)
・東京医科歯科大学(現:東京科学大学)非常勤講師(2023年~)
・文京区子ども子育て会議委員(2024年~)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
乾 愛のレポート
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