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中国経済の見通し-2023年は前年比5.3%増、2024年は同4.6%増と予想
三尾 幸吉郎
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- 2022年の中国経済は実質で前年比3.0%増と政府目標の「5.5%前後」を下回る結果となった。ここ3年を振り返ると、新型コロナの第1波が襲来した2020年には前年比2.2%増と落ち込み、2021年には同8.4%増とV字回復し、2022年には再び同3.0%増と落ち込むこととなった。他方、インフレは概ね安定しており、2022年の消費者物価(CPI)は前年比2.0%上昇と、中国政府の抑制目標「3.0%前後」を下回った(下左図)。
- コロナ禍の産業への影響を見ると、[1]コロナ禍の影響が大きかった産業(「交通・運輸・倉庫・郵便業」、「卸小売業」、「宿泊飲食業」、「製造業」)、[2]コロナ禍の影響が小さかった産業(「第1次産業」、「金融業」)、[3]コロナ禍とは別の要因で成長の勢いが鈍化した産業(「不動産業」、「建築業」、「情報通信・ソフトウェア・IT」)の3つに大きく分かれた。「不動産業」と「建築業」は中国政府が実施した不動産規制強化が、「情報通信・ソフトウェア・IT」は、中国政府が実施したIT業界の是正措置が、それぞれマイナスに寄与した。
- 各産業の今後を考えると、コロナ禍の影響が大きかった「交通・運輸・倉庫・郵便業」、「卸小売業」、「宿泊飲食業」は21年に近い急回復になると見られるが、製造業は輸出が不振と見られるため急回復とはいかないだろう。コロナ禍とは別の要因で成長の勢いが鈍化した「不動産業」は規制緩和で底打ちするものの低成長にとどまる。「建築業」にも多くは期待できない。なお、コロナ禍の影響が小さかった「第1次産業」と「金融業」は引き続き安定成長と予想。
- 以上を踏まえて、2023年の経済成長率は実質で前年比5.3%増、2024年は同4.6%増と予想している。2023年は反動増で高めの成長率となるものの、2024年にはそれが無くなり、経済の巡行速度(=大規模な政策支援なしで無理なく成長できる水準)並みと予想している。
1. 中国経済の概況
2. コロナ禍の各産業への影響
3. 今後の産業動向
1|コロナ禍の影響が大きかった産業
2|コロナ禍とは別の要因で成長の勢いが鈍化した産業
3|コロナ禍の影響が小さかった産業
4. 中国経済の見通し
1|メインシナリオ
2|リスク要因
(2023年02月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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