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データヘルス改革による健康・医療データ利活用推進の状況
保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
5――情報の取り扱い
また、自身の保健医療情報を活用できる仕組み(PHR)においては、自分で閲覧するための同意は不要であるが、民間や自治体のアプリ等にマイナポータルAPI等を介してデータを連携する場合は、サービス提供者に対して利用の同意をする必要がある。さらに、国が策定した「民間PHR事業者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針(2021年)」により、サービス提供者はデータの取り扱いを厳重に行っている。
6――おわりに
2021年10月にマイナンバーカードを保険証として利用しはじめた当初は、従来の保険証を使うよりマイナンバーカードを使った方が初診料等が高く設定されており、マイナンバーカード利用に対する「逆インセンティブ」と揶揄されたが、2022年10月にその逆インセンティブは解消し、カードリーダを設置している医療機関ではマイナンバーカードを使った方が安くなった。特に、2024年秋以降原則として保険証廃止するという方針の発表は、「マイナンバーカード取得状況と使途・今後利用したいサービス6」で紹介したとおり、マイナンバーカード取得に向けた強いメッセージとなったと思われる。さらに、2023年4月からは、従来の保険証を使った場合の初診料が当面の間、更に高くなる等、マイナンバーカード利用者の初診料が有利にすることが検討されており、マイナンバーカードの取得・利用を促す力が強く働いている。
その一方で、マイナンバーカードやカードリーダは国が想定するほどは普及していない。そこで、次稿では、マイナンバーカード普及状況、医療機関におけるカードリーダ普及状況と、利用意向に関するアンケート調査の結果を紹介する。
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- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
(2023年01月11日「基礎研レポート」)
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