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世界各国の市場動向・金融政策(2022年12月)-株価は下落したが、為替は対ドルで上昇

経済研究部 主任研究員 高山 武士
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1.概要:株価は下落したが、為替は対ドルで上昇する国が多い
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する47か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。本文中の先進市場と新興市場の区分についてはMSCIの分類に基づく。
2.ロシアの金融市場と商品価格
次にロシアが主要な供給源となっている商品の動向を追うと、金属(アルミ、ニッケル)価格のうちニッケルが11月末から12月初にかけて上昇、アルミニウムや農作物は概ね横ばい圏で推移している(図表6・7)。ニッケル価格は中国のゼロコロナ政策の緩和とそれに伴う需要増の思惑が反映された可能性がある。
3.株価(MSCI)・為替レートの動き
通貨の騰落率を見ると、ドルの27カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Narrow)が前月比1.6%、60カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Broad)が前月比0.8%となりややドル安が進行した3(前掲図表3)。前年比ではNarrowベースで▲7.8%、Broadベースで▲6.5%だった。
3 名目実効為替レートは12月20日時点の前月末比で算出。
英国イングランド銀行は9会合連続、カナダ銀行と米国FRBは7会合連続、ユーロ圏のECBは4会合連続となる利上げを実施した。このうち、イングランド銀行、FRB、ECBは利上げ幅を前回の0.75%ポイントから0.50%ポイントに縮小している。また、日本では、債券市場の市場機能が低下していることを理由として、長期金利目標の長期金利の変動許容幅を、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大した。
一方、G7以外の国では、新興国を中心に利上げ局面が一服した国も散見される。
利上げを継続している国としては、オーストラリア(8会合連続の利上げ)、インド(5会合連続)、メキシコ(13会合連続)、インドネシア(5会合連続)があり、政策金利を変更していない国としてはポーランド(3会合連続の据え置き)、ブラジル(3会合連続)、ロシア(2会合連続)、ハンガリー(3会合連続)、チェコ(4会合連続)、トルコがある。このうち、ロシアとトルコは利下げ局面終了後の政策金利据え置きであり、トルコは11月まで4会合連続で利下げを実施していたが、12月には政策金利がエルドアン大統領の要求してきた水準(1桁台)まで下げられたこともあり、金利が据え置かれたと見られる。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2023年01月05日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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