コラム
2022年12月22日

数字の「4」に関わる各種の話題-日本では不吉な数字と思われているが、実は「安定感のある調和のとれた数字」である-

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数学における数字としての「4」

「4」は、数学の多くの場面で現れてくる。例えば、以下の通りである。

・四角形:正方形(正四角形)、長方形、平行四辺形、菱形、台形(4つの点と辺を持つ平面図形)、凧形、凹四角形(矢形等)

・正四面体(4つの面と頂点を持つ正多面体)

・星型正多面体(全ての面が同一の正多角形で構成される星型の立体)は4種類のみ:9小星型十二面体、大星型十二面体、大十二面体、大二十面体

・数学の基本的な図形変換は4つ(平行移動、回転移動、対称移動、拡大縮小)

・四色定理(いかなる平面又は球面上の地図も、隣接する領域が異なる色になるように塗るには4色あれば充分)

・全ての自然数は、高々4個の平方数の和として表される(「ウェアリングの問題」)。
 
9 「ケプラーの法則」で有名なドイツの天文学者、数学者ヨハネス・ケプラーが1619年に最初の2つを、1809年にフランスの数学者ルイ・ポアンソが後の2つを発見し、1811年に「コーシー列」等で有名なフランスの数学者オーギュスタン=ルイ・コーシーがこれらの4種類しかないことを証明した。

「4」は安定感のある調和のとれた数字

「4」という数字を考えてみた場合に、それは2の2倍あるいは2の二乗ということもあり、まさに「四方(東西南北又は前後左右)」を固められて、心地よいバランスが保たれている気持ちがして、安定感のある調和のとれた数字だというイメージがあるのではないだろうか。

このこともあり、多くの場面で、「4」や「四」が現れてくる。例えば、以下の通りである。

・四方(東西南北又は前後左右)
・四季(春夏秋冬)
・四則演算(加減乗除)
・四苦(生老病死)
・四神(玄武・朱雀・青竜・白虎)
・会社の事業報告は四半期毎
・音楽の世界:弦楽四重奏、交響曲や協奏曲は一般的に4つの楽章
・麻雀は4人、4つの面子と1つの雀頭で役作り
・トランプのスートは4つ(ハート、スペード、クラブ、ダイヤ)
・4年に1回:閏年、オリンピック、サッカーのワールドカップ
・野球のベースは4つ
・多くの哺乳動物は4本足
・DNAは、4 種類の塩基分子(チミン、グアニン、アデニン、シトシン)の配列によって遺伝情報を保存、伝達している。
 

4月4日は幸せの日

4月4日は、同じ数字が並ぶ日ということで、いくつかの記念日に指定されている。その中でも、例えば、「4(し)と4(し)」が合わさる日として『幸せの日』と言われている。

なお、3月3日が「ひなまつり」(女の子の節句)、5月5日が「こどもの日」(男の子の節句)であることから、男子と女子が歩み寄った日ということで、「男子と女子のそれぞれの『子(し)』」が合わさる日、という意味合いもあるようだ。

その他

その他に、数字の「4」や「四」が現れるケースとして、例えば以下のものが挙げられる。

四字熟語: 文字通り、漢字四文字で構成される熟語であるが、生き生きとした表現が数多く作られていて、日常生活に定着している。

四コマ漫画: 4つのコマによって短い物語を作る日本の漫画の形式で、新聞や雑誌等に掲載されている。わかりやすい文章構成の基礎となる「起承転結」を的確に表現している例となっている。

四番バッター: 野球の攻撃面で最も信頼されるバッターのことを指しているが、より一般的に集団内で最も期待をかけられる人物等を指す場合にも使用される。

四天王:ある分野で優れた4人組を表すのに使用される。

四大〇〇:四大文明(エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明)
      四大トーナメント(テニス、ゴルフのメジャー大会)
      四大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教/ユダヤ教/儒教)

四葉のクローバー:古代から、その希少性等から、幸運の印として考えられてきている。

最後に

今回は数字の「4」について、それが現れてくる例やその理由等について、報告してきた。

「4」という数字は、「死」を連想させるからということで、不吉な数字だとの印象を持たれている方が多いのではないかとか思われるが、実は「4」という数字は多くの場面で現れてくる、極めて「安定感のある調和のとれた数字」であると思われる。さらには、日本の各種の年度(事業年度や学校年度)は「4月」が年度初めになっており、その意味では「4月」自体は、新しい物事の始まりを意味して、縁起の良い月だと考えられることにもなる。加えて、ビジネスの世界ではPDCA(Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善))の4段階のサイクルが業務管理の基礎になっているというような例もある。

「4」という数字も、各種の意味合いを有していることで、興味深い愛すべき数字だと感じていただければと思っている。
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中村 亮一

研究・専門分野

(2022年12月22日「研究員の眼」)

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