- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 資産運用 >
- 2023年の株価見通し~日経平均2万5000円割れも~
2022年12月05日
2022年の株式市場は世界的なインフレ長期化と金利上昇の影響を大きく受けた。米FRB(連邦準備制度理事会)は3月に利上げを開始すると、その後もFOMC(連邦公開市場委員会)を開催する都度、政策金利を大幅に引き上げた。
政策金利を引き上げたのはFRBだけではない。高水準で加速するインフレを抑制する狙いから、ECB(欧州中央銀行)、英イングランド銀行、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行など世界中の中央銀行が大幅な利上げに動いた。
世界的な金利上昇に株式市場は大きく揺らいだ。米S&P500は昨年末から今年9月末までに25%ほど下落、ハイテク株が多いNASDAQ指数にいたっては同32%超の下落だ。一方の日本株は相対的に底堅い。日経平均の同期間の下落率は10%弱、TOPIXは8%弱にとどまっている。
日本株が底堅い背景のひとつに日銀が緩和維持を強調していることが挙げられる。黒田総裁は9月の会見で「今後2~3年は金利が上がらない」という趣旨の発言をした。緩和策継続の是非については様々な議論があるが、少なくとも日本株市場の支えにはなっているようだ。
もうひとつ、日本株が底堅い理由は日本企業の業績が堅調なことだろう。TOPIX構成企業の純利益合計は今期10.7%増、来期5.3%増が予想されている(QUICKコンセンサス)。原材料費や物流費、人件費などの高騰が企業収益を圧迫する中、円安が輸出企業の採算を押し上げる。
政策金利を引き上げたのはFRBだけではない。高水準で加速するインフレを抑制する狙いから、ECB(欧州中央銀行)、英イングランド銀行、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行など世界中の中央銀行が大幅な利上げに動いた。
世界的な金利上昇に株式市場は大きく揺らいだ。米S&P500は昨年末から今年9月末までに25%ほど下落、ハイテク株が多いNASDAQ指数にいたっては同32%超の下落だ。一方の日本株は相対的に底堅い。日経平均の同期間の下落率は10%弱、TOPIXは8%弱にとどまっている。
日本株が底堅い背景のひとつに日銀が緩和維持を強調していることが挙げられる。黒田総裁は9月の会見で「今後2~3年は金利が上がらない」という趣旨の発言をした。緩和策継続の是非については様々な議論があるが、少なくとも日本株市場の支えにはなっているようだ。
もうひとつ、日本株が底堅い理由は日本企業の業績が堅調なことだろう。TOPIX構成企業の純利益合計は今期10.7%増、来期5.3%増が予想されている(QUICKコンセンサス)。原材料費や物流費、人件費などの高騰が企業収益を圧迫する中、円安が輸出企業の採算を押し上げる。
予想外のインフレ長期化もしくはFRBの必要以上のタカ派姿勢は、いずれも米国経済を過度に冷え込ませかねない。仮にそうなれば金融市場では米金利急低下と急速な円安修正(円高)が同時進行しよう。この場合、業績圧迫に市場心理の悪化も重なり日経平均が一時的に2万5,000円を割るリスクも想定しておく必要がありそうだ。
(2022年12月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1852
経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
1999年 (株)ニッセイ基礎研究所へ
2023年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会認定アナリスト
井出 真吾のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/01/09 | 日経平均4万円回復は? | 井出 真吾 | 基礎研マンスリー |
2024/12/23 | 日経平均4万円回復は? | 井出 真吾 | 研究員の眼 |
2024/11/06 | 「選挙は買い」は本当か | 井出 真吾 | ニッセイ年金ストラテジー |
2024/08/07 | 新NISAスタートから半年 理想を追ったら資産が半分に!?-長期投資で大失敗しないために | 井出 真吾 | 基礎研マンスリー |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月16日
iDeCo(個人型確定拠出年金)を有効活用する方法と注意点-拠出限度額引き上げで税制優遇の恩恵も大きく -
2025年01月16日
ロシアの物価状況(24年12月)-前年比伸び率は9%台半ばまで上昇 -
2025年01月16日
若い世代が結婚・子育てに望ましいと思う制度1位は?-理想の夫婦像激変時代の人材確保対策を知る -
2025年01月16日
企業物価指数2024年12月~エネルギー価格への支援策縮小などから、国内企業物価の先行きは高止まり~ -
2025年01月15日
インド消費者物価(24年12月)~12月のCPI上昇率が2カ月連続で低下、食品インフレ和らぐ
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【2023年の株価見通し~日経平均2万5000円割れも~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
2023年の株価見通し~日経平均2万5000円割れも~のレポート Topへ