2022年07月21日

まるわかり“実質実効為替レート”-“50年ぶりの円安”という根深い問題

経済研究部 上席エコノミスト 上野 剛志

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■要旨

2021年終盤以降、実質実効為替レート(以下、「実質実効レート」)に対する注目が高まっている。円の実質実効レートがおよそ50年ぶりの低水準にまで下落したことで、その悪影響への懸念が高まっているためだ。

筆者はかねてより、折に触れて実質実効レートをフォローしてきた1が、改めて注目が高まる今、意味合いや動向を解説したうえで、その背景や影響、先行きについて考察したい
 
1たまにしか注目されないけれど、侮れない“実質実効レート”」(ニッセイ基礎研レポート 2015-06-30),
 「現在の円相場はこの20年で最も円安?」(年金ストラテジー (Vol.204) June 2013),
  「改めて問う“円高とは?”~実質実効レートでみる円相場」(ニッセイ基礎研レポート 2010年10月号)


■目次

1――実質実効為替レートの意味
  1|実質為替レートとは
  2|実効為替レートとは
2――実質実効レートの動向~50年ぶりの低水準に
3――実質実効為替レート下落の背景
  1|金融緩和の常態化
  2|国際収支構造の変化
4――実質実効レート下落の影響
  1|プラス面
  2|マイナス面
  3|問題の本質
5――実質実効レートの行方と求められること
  1|実質実効レートの行方
  2|実質実効レート下落に対して求められること


※ 本稿は2022年3月30日発行「基礎研レポート」を加筆・修正したものである。
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経済研究部   上席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

経歴
  • ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
    ・ 2007年 日本経済研究センター派遣
    ・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
    ・ 2009年 ニッセイ基礎研究所

    ・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)

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