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- たまにしか注目されないけれど、侮れない“実質実効レート”
■イントロダクション
6月10日の衆議院財務金融委員会において黒田日銀総裁の発した言葉が為替市場を揺るがした。「実質実効為替レート(以下、実質実効レート)について、さらに円安になることはありそうにない」という発言だ。市場では、この発言が黒田総裁による“円安けん制”と受け止められ、直前に125円付近にあったドル円レートは一気に122円台へと下落した。
黒田総裁は後日、「名目為替レートの水準や先行きについて何か申し上げたものではない」と釈明。結局、総裁自身にそれまで急速に進んでいた円安をけん制する意図があったのかどうかは定かではないが、総裁の発言に誤解を与える余地があったことに加え、実質実効レートという概念が複雑であることが今回の騒動の原因にあるように思われる。
実質実効レートは、一般的に普段はあまり意識されていない指標だが、2010年頃の円高ドル安局面など為替の影響が大きく取りざたされる際に注目度が高まる。今回も黒田総裁発言で俄かに注目が集まっただけに、改めてその内容と影響、今後の行方について考察したい。
■見出し
1――俄かに注目が高まった実質実効レート
1│実質実効レートとは
2│円実効レートの相対的な位置付け
2――実質実効レート下落(真の円安)は何をもたらすか?
1│実体経済への影響
2│実質実効レートの重要性(VS ドル円レート)
3――実質実効レートは今後どうなる?
1│さらに円安へ
2│スピードも重要な要素
3│いずれ直面するリスク
(2015年06月30日「基礎研レポート」)
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03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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