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不妊治療にかかる期間とは?-約2年超で最大5年超、早くから自分の身体に関心を-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
本稿では、不妊治療にかかる期間を、不妊症の検査や治療のスケジュール等から試算した。
その結果、基本検査で原因不明とされた場合に、不妊治療にかかる期間は、約2年超であることが明らかとなった。
また、不妊治療を開始する前に、原因疾患の治療が必要な場合には、女性疾患治療後の不妊治療で約5年超、男性疾患治療後の不妊治療で約4年を費やすことが明らかとなった。
さらに、不妊治療の保険適用限界及び治療生産率を考慮すると、37歳ごろには不妊症を意識した受診を検討し、36歳ごろには妊活を開始するのが一つの目安となることも示唆された。
しかし、不妊症の兆候は、結婚や妊娠を考えるよりも早く現れ始めるため、将来の自分のライフプランの幅を狭めてしまわないように、早くから自分の身体に関心を持つことが望ましいと筆者は考える。
次稿では、就業率が8割近くとなる35歳から40歳の女性において、不妊治療を受ける年齢のピークとなっていることから、今後の不妊治療体制の促進に向けて、企業を取り巻く環境や両立支援体制の実態について考察する。
■目次
1――はじめに
2――不妊症の検査と治療内容
1|不妊症検査に必要な流れ
2|基本検査は月経周期に合わせてスケジューリング
3|不妊治療前に、原因疾患を治療する期間が必要
4|一般不妊治療と生殖補助医療の治療期間
3――就労女性が不妊治療をする場合、どのくらいの期間が必要か?
4――幅広いライフプラン選択のために、まずは自分の身体に関心を!
5――まとめ
(2022年07月21日「基礎研レター」)
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03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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