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不妊症につながる男性疾患とは?(2)-約3割を占める男性不妊のリスク低減には精索静脈瘤の早期発見と、生活習慣病予防が重要-

生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
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本稿では、不妊治療を受ける必要がある「不妊症」はなぜ引き起こされるのか。加齢に伴う妊孕性の低下が不妊症に及ぼす影響のほか、不妊症につながる男女別の要因や器質的疾患についての特徴を2回に分けて整理し、不妊症のリスク低減に向けたヒントを提示したい。
本稿では男性の疾患に着目し、考察する。
その結果、不妊症全体のうち、約3割を男性因子が占めており、その内訳として造精機能障害が約8割、性機能障害が1割超、精路通過障害が3.8%影響していたことが判明した。
また、造精機能障害には精索静脈瘤、性機能障害には勃起障害や射精障害、精路通過障害には精巣上体炎などが多くの要因を占めていることが明らかとなった。
さらに、各障害に影響を与える原因疾患の特徴を見ていくと、まずは思春期以降の精索静脈瘤の早期発見と、生活習慣病の予防や性感染症の予防が男性不妊症のリスク低減に効果が期待できることが明らかとなった。
日本では、不妊症と言えば女性が原因というイメージを持つ傾向があったが、不妊症の要因を見ると男性が関与する不妊症割合は既に無視できない割合となっている。
今後、日本において男性の受診数や検査数が増加するにつれて、不妊症要因に占める男性不妊割合は現在よりも高くなることが予想される。女性に向けた不妊症対策と並行して、男性への不妊症対策を講じる視点も重要となろう。
■目次
1――はじめに
2――日本の不妊要因(要因構成)
3――不妊症の男性因子
3-1. 造精機能障害
3-2. 性機能障害
3-3. 精路通過障害
4――まとめ
(2022年06月27日「基礎研レター」)

03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
・大阪市立大学(現:大阪公立大学)研究員(2019年~)
・東京医科歯科大学(現:東京科学大学)非常勤講師(2023年~)
・文京区子ども子育て会議委員(2024年~)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
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