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- 英国雇用関連統計(22年4月)-失業率は3.7%で歴史的低水準に
1.結果の概要:失業率は歴史的低水準まで低下
【4月】
・失業保険申請件数1は前月(166.94万件)から5.69万件減の161.25万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は4.1%となり、前月(同4.2%)から低下した
・給与所得者数2は前月(2941.9万人)から12.1万人増の2954.0万人となった。
増減数は前月(+5.9万人)から増加、市場予想3(+5.1万人)も上回った。
【3月(22年1-3月の3か月平均)】
・失業率は3.7%で前月(3.8%)から低下、市場予想(3.8%)も下回った(図表1)。
・就業者は3256.9万人で3か月前の3248.5万人から8.3万人の増加となった。
増減数は前月(+1.0万人)から増加し、市場予想(+0.4万人)も上回った。
・週平均賃金は、前年同期比7.0%で前月(5.6%)から加速、市場予想(5.4%)も上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは利用可能な情報の85%ほどを集計して算出。
3 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:賃金上昇が加速
名目平均賃金はボーナスが所得を押し上げ、22年1-3月の前年同期比で7.0%と高い伸び率となった(前掲図表2)。実質でも前年比で1.4%と21年10月以来の1%台まで上昇した。前年同期の水準が落ち込んでおり、ベース効果が働いている部分もあるが、それを除いても高めの伸び率となった。なお、ONSはコロナ禍による構成効果についてはほぼ解消されたと指摘している(図表6)。
4 3か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていない点には留意が必要。
5 統計開始後の最低値は73年10-12月期および74年1-3月期の3.4%、3.7%は74年10-12月期以来の低さ。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年05月18日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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