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- 中国の生命保険市場(2020年版)基礎データ
2022年03月25日
1―市場概況
1 1元=15.9円
2―商品構成
3―販売チャネル構成
4―保険金、解約払戻金の支払い状況
5―主要な保険会社の業績状況
2020年は新型コロナによって、保険商品の存在意義が大きく問われる1年であった。新型コロナの感染が拡大した第1四半期には消費抑制の影響もあり、保険料収入は前年より減少した。一方、当局は保険各社に、新型コロナを保険給付の対象とすることや、医療従事者などに無償で付保することなどを要請した。
中国人寿、平安人寿、太平洋人寿などの大手生保を筆頭に、(1)第一線で働く医療従事者や公務員などへの無償付保、(2)関係機関への寄付や援助、(3)新型コロナに感染した契約者への給付をいち早く行った。大手各社は、自社の健康プラットフォーム上で、オンライン診療(24時間対応)、電話相談、感染防止の情報や感染情報の提供、慢性病などの医薬品の配送など、新型コロナに関する専門のサービスを無料で提供した。このように、保険会社は現金給付という本来の役割と、オンライン診療などのサービス提供を通じて医療供給体制の一端を担った。2020年において、このような取り組みに参加した生保は70社にのぼり、およそ1,400の保険商品で新型コロナ関連の給付がなされた。新型コロナ関連で支払いを受けたのは9,709名にのぼり、給付額は3億4,800万元で、そのうち無償付保による給付が2億4,200万元となった。
一方、2020年1月からは外資出資比率規制が撤廃されるなど、外資規制の緩和が進んだ。元よりアジア市場に強みを持つ保険会社の動きが活発化し、AIAは上海支店を100%出資する生命保険会社(「友邦人寿保険有限公司」)に改組し、再スタートした。
中国人寿、平安人寿、太平洋人寿などの大手生保を筆頭に、(1)第一線で働く医療従事者や公務員などへの無償付保、(2)関係機関への寄付や援助、(3)新型コロナに感染した契約者への給付をいち早く行った。大手各社は、自社の健康プラットフォーム上で、オンライン診療(24時間対応)、電話相談、感染防止の情報や感染情報の提供、慢性病などの医薬品の配送など、新型コロナに関する専門のサービスを無料で提供した。このように、保険会社は現金給付という本来の役割と、オンライン診療などのサービス提供を通じて医療供給体制の一端を担った。2020年において、このような取り組みに参加した生保は70社にのぼり、およそ1,400の保険商品で新型コロナ関連の給付がなされた。新型コロナ関連で支払いを受けたのは9,709名にのぼり、給付額は3億4,800万元で、そのうち無償付保による給付が2億4,200万元となった。
一方、2020年1月からは外資出資比率規制が撤廃されるなど、外資規制の緩和が進んだ。元よりアジア市場に強みを持つ保険会社の動きが活発化し、AIAは上海支店を100%出資する生命保険会社(「友邦人寿保険有限公司」)に改組し、再スタートした。
6―資産運用状況
2020年の生保の総資産額は、前年比17.8%増の19兆9,790億元であった。中国では、生命保険業全体の資産運用状況は公表していないため、以下では、生保上位4社(中国人寿、平安人寿、太平洋人寿、新華人寿)について確認し、全体像を概観する2。
図表6は4社の資産のうち、負債を運用し、収益を確保することを目的とした実働資産について債券や株式など運用手段別に分類したものである。2020年は銀行の定期預金(7.0%)、貸付・債権(13.2%)、債券(55.1%)といったインカム資産が実働資産全体の75.3%を占めており、安全な資産を中心に運用されている。また、およそ半分を占める債券については、国債・政府債が50.2%、金融債が15.7%と安全性の高い債券が過半の65.9%を占めた。
図表6は4社の資産のうち、負債を運用し、収益を確保することを目的とした実働資産について債券や株式など運用手段別に分類したものである。2020年は銀行の定期預金(7.0%)、貸付・債権(13.2%)、債券(55.1%)といったインカム資産が実働資産全体の75.3%を占めており、安全な資産を中心に運用されている。また、およそ半分を占める債券については、国債・政府債が50.2%、金融債が15.7%と安全性の高い債券が過半の65.9%を占めた。
2 5位の華夏人寿については、2020年のディスクロージャー資料を公表していないため除外している。
7―収支状況
8―世界における中国生命保険市場の位置づけ
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経歴
- 【職歴】
2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
(2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
(2019年度・2020年度・2023年度)
・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
日本保険学会、社会政策学会、他
博士(学術)
(2022年03月25日「基礎研レポート」)
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