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- 日本のホテル市場の回復は世界に遅れるのか-今年はさらに国別の回復速度の違いが拡大
2022年02月28日
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6――2020年の居住地と同じ都道府県内への宿泊旅客数
コロナ禍下では緊急事態宣言などにより都道府県境を越えた移動自粛が推奨され、2020年4月から11月では、目的地が居住する都道府県内である旅行客の割合は、全体では29.0%となり、近距離の宿泊旅客割合が2倍強に増加した。都道府県別では、1位:東京都(50.4%)、2位:北海道(47.3%)、3位:岩手県(45.2%)、4位:宮城県(43.7%)、5位:神奈川県(42.0%)(図表5)となった。
2019年1月から11月時点の割合と比べると、東京(+32.0%)、北海道(+23.2%)、大阪(+20.2%)、神奈川(+19.9%)、広島(+18.9%)、新潟(+18.1%)と、自身の居住する都道府県を目的地とする宿泊旅客の増加が著しい。
都市部については、目的地および出発地とする宿泊旅客のいずれも減少している。特に首都圏を目的地とする北海道・東北地方からが減少し、居住する県内を目的地とする宿泊旅客が増加している。
2019年1月から11月時点の割合と比べると、東京(+32.0%)、北海道(+23.2%)、大阪(+20.2%)、神奈川(+19.9%)、広島(+18.9%)、新潟(+18.1%)と、自身の居住する都道府県を目的地とする宿泊旅客の増加が著しい。
都市部については、目的地および出発地とする宿泊旅客のいずれも減少している。特に首都圏を目的地とする北海道・東北地方からが減少し、居住する県内を目的地とする宿泊旅客が増加している。
7――2021年の居住地と同じ都道府県内への宿泊旅客数
8――今後は国別の回復速度の違いが鮮明に
国内でも観光業は経済成長を期待されている分野である。観光庁は2022年度の観光関係予算を前年度比1.35倍に上積みするなど、国も推進する方向であることはコロナ禍前とは変わらない。一方で、国内では移動自粛の風潮が未だに強い。断続的なウイルス感染拡大により、遠距離旅行はしないという意識が定着しつつあるのかもしれない。
しかし、欧米では、各国政府が新型コロナウイルス感染をインフルエンザ等と同様に日常ととらえる向きに世論を着実に誘導しつつ、今後を見据え正常化に向けた行動を促すように政策転換をしているようだ。新型コロナウイルスをどう定義し、どのような国の施策を建てるかは、国ごとに異なると思われるが、今年は国毎のコロナ対策の違いによって、経済の回復速度の違いがさらに大きくなり、ホテル市場の回復にも相当な違いが出てくる年になるのではないだろうか。
しかし、欧米では、各国政府が新型コロナウイルス感染をインフルエンザ等と同様に日常ととらえる向きに世論を着実に誘導しつつ、今後を見据え正常化に向けた行動を促すように政策転換をしているようだ。新型コロナウイルスをどう定義し、どのような国の施策を建てるかは、国ごとに異なると思われるが、今年は国毎のコロナ対策の違いによって、経済の回復速度の違いがさらに大きくなり、ホテル市場の回復にも相当な違いが出てくる年になるのではないだろうか。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2022年02月28日「基礎研レポート」)
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03-3512-1853
経歴
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
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