- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 暮らし >
- 消費者行動 >
- 不正転売について考えてみた
2021年12月08日
■要旨
2021年11月22日、フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリとテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営する合同会社ユー・エス・ジェイは、「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結した。この協定では、両社が商品情報や発売情報を事前に共有し、特定の新商品発売前後の注意喚起や権利侵害品対策などについて連携し、より安心・安全に取引ができる環境を構築することが目的となっている。現代市場においてメルカリをはじめとする「二次流通業者」の存在感は大きなものとなっている。二次流通業とは、オークションやフリーマーケットで中古品を販売するビジネスを指す。元々我々に馴染みのあった二次流通業は、消費者が一度購入したものを古物商許可を持つ業者が買い取り、それを再販するというビジネスモデルであった。これには古本屋や古着屋、中古の高級ブランド品を販売する質屋やリユースストアなどが該当する。しかし、昨今では消費者と消費者の間に間接的に業者が仲介し、実質消費者間で取引が行われる「CtoC (Consumer to Consumer)」の取引も一般的になってきている。「メルカリ」や「ヤフオク!」、「ラクマ」などがその一例である。2021年9月30日よりメルカリは「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない?」と、新品ではなくとも中古品でも場合によっては十分に購入者のニーズを満たすことができる、といった旨のメッセージをCMで発信している。最近耳にする回数が増えたSDGs(Sustainable Development Goals)の観点からも、廃棄されるものが減り、持続可能な消費と生産サイクルへの配慮がなされ、商品が消費者間で循環されていくことは、結果的に環境に配慮した取り組みへと繋がっていくのである。しかし、残念ながら二次流通業と消費者との関わりにはそのようなポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面も擁しており、その代表となるのが「不正転売」の存在である。本レポートでは「メルカリ」と「ユー・エス・ジェイ」における転売対策をはじめとした企業の転売対策の事例を取り上げる。また、消費者が不正転売品を購入してしまう背景を考察した。
■目次
1――メルカリとユニバーサル・スタジオ・ジャパンが結んだ協定
2――転売ヤーと「禰豆子のポップコーンバケツ」
3――どのように転売ヤーにとっての魅力をなくすか
4――なぜ転売品が欲しいのか
5――最後に
2021年11月22日、フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリとテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営する合同会社ユー・エス・ジェイは、「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結した。この協定では、両社が商品情報や発売情報を事前に共有し、特定の新商品発売前後の注意喚起や権利侵害品対策などについて連携し、より安心・安全に取引ができる環境を構築することが目的となっている。現代市場においてメルカリをはじめとする「二次流通業者」の存在感は大きなものとなっている。二次流通業とは、オークションやフリーマーケットで中古品を販売するビジネスを指す。元々我々に馴染みのあった二次流通業は、消費者が一度購入したものを古物商許可を持つ業者が買い取り、それを再販するというビジネスモデルであった。これには古本屋や古着屋、中古の高級ブランド品を販売する質屋やリユースストアなどが該当する。しかし、昨今では消費者と消費者の間に間接的に業者が仲介し、実質消費者間で取引が行われる「CtoC (Consumer to Consumer)」の取引も一般的になってきている。「メルカリ」や「ヤフオク!」、「ラクマ」などがその一例である。2021年9月30日よりメルカリは「それ、新品じゃなくてもいいんじゃない?」と、新品ではなくとも中古品でも場合によっては十分に購入者のニーズを満たすことができる、といった旨のメッセージをCMで発信している。最近耳にする回数が増えたSDGs(Sustainable Development Goals)の観点からも、廃棄されるものが減り、持続可能な消費と生産サイクルへの配慮がなされ、商品が消費者間で循環されていくことは、結果的に環境に配慮した取り組みへと繋がっていくのである。しかし、残念ながら二次流通業と消費者との関わりにはそのようなポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面も擁しており、その代表となるのが「不正転売」の存在である。本レポートでは「メルカリ」と「ユー・エス・ジェイ」における転売対策をはじめとした企業の転売対策の事例を取り上げる。また、消費者が不正転売品を購入してしまう背景を考察した。
■目次
1――メルカリとユニバーサル・スタジオ・ジャパンが結んだ協定
2――転売ヤーと「禰豆子のポップコーンバケツ」
3――どのように転売ヤーにとっての魅力をなくすか
4――なぜ転売品が欲しいのか
5――最後に
03-3512-1776
経歴
- 【経歴】
2019年 大学院博士課程を経て、
ニッセイ基礎研究所入社
・令和6年度 東京都生活文化スポーツ局都民安全推進部若年支援課広報関連審査委員
【加入団体等】
・経済社会学会
・コンテンツ文化史学会
・余暇ツーリズム学会
・コンテンツ教育学会
・総合観光学会
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年04月30日
今週のレポート・コラムまとめ【4/23-4/26発行分】 -
2024年04月26日
ドイツの産業空洞化リスク-グローバル化逆回転はドイツへの逆風、日本への追い風か?- -
2024年04月26日
米GDP(24年1-3月期)-前期比年率+1.6%と前期から低下、市場予想の+2.5%も大幅に下回る -
2024年04月26日
滞留するふるさと納税 -
2024年04月26日
EUのDMA関連調査開始決定-GAFAそれぞれの問題を指摘
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【不正転売について考えてみた】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
不正転売について考えてみたのレポート Topへ