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- ユーロ圏GDP(2021年7-9月期)-回復が続きほぼコロナ禍前の水準に
2021年11月01日
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1.結果の概要:2四半期連続でプラス成長
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様
2.結果の詳細:ほぼコロナ禍前の水準まで回復
2021年7-9月期の成長率は前期比2.2%(年率換算9.1%)となり、2四半期連続でのプラス成長となった。コロナ禍前(19年10-12月期)の水準との比較では▲0.5%と、ほぼコロナ禍前の水準まで回復したことになる。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると(図表3)、前期比ではドイツ1.8%(前期1.9%)、フランス3.0%(前期1.3%)、イタリア2.6%(前期2.7%)、スペイン2.0%(前期1.1%)となり、前期に続き速報時点で公表されている国はすべてプラス成長を記録した。コロナ禍前と比較すると(図表3)、大国4か国はすべてマイナス圏にあるものの、フランス、ドイツ、イタリアはかなりコロナ禍前の水準に近づいてきたことが分かる。他方、スペインはかなり回復が遅れており、その他の主要国では、ポルトガルの回復もやや遅れている。
経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると(図表3)、前期比ではドイツ1.8%(前期1.9%)、フランス3.0%(前期1.3%)、イタリア2.6%(前期2.7%)、スペイン2.0%(前期1.1%)となり、前期に続き速報時点で公表されている国はすべてプラス成長を記録した。コロナ禍前と比較すると(図表3)、大国4か国はすべてマイナス圏にあるものの、フランス、ドイツ、イタリアはかなりコロナ禍前の水準に近づいてきたことが分かる。他方、スペインはかなり回復が遅れており、その他の主要国では、ポルトガルの回復もやや遅れている。
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費5.0%(前期1.3%)、政府消費3.0%(前期0.7%)、投資▲0.1%(前期2.5%)、輸出2.3%(前期1.2%)、輸入0.1%(前期1.7%)となった。個人消費が大幅に加速したことが成長をけん引役となった(図表5、ここでは2019年の平均を100として記載)。産業別の付加価値を見ると、製造業が▲0.1%(前期▲0.6%)、建設業が▲0.5%(前期3.8%)、市場型サービス産業4.5%(前期2.1%)、非市場型サービス1.6%(前期▲0.3%)だった。コロナ禍前との比較では、コロナ禍で低迷していた住居・飲食業が前期比で43.1%(前期30.5%)と急回復が続いた。コロナ禍前との比較では▲16.5%とまだ回復は道半ばだが、市場型サービス全体で見るとコロナ禍前比で▲0.0%まで回復している。一方、製造業はコロナ禍前との比較でも▲4.3%と回復の重しになっている。
フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費5.0%(前期1.3%)、政府消費3.0%(前期0.7%)、投資▲0.1%(前期2.5%)、輸出2.3%(前期1.2%)、輸入0.1%(前期1.7%)となった。個人消費が大幅に加速したことが成長をけん引役となった(図表5、ここでは2019年の平均を100として記載)。産業別の付加価値を見ると、製造業が▲0.1%(前期▲0.6%)、建設業が▲0.5%(前期3.8%)、市場型サービス産業4.5%(前期2.1%)、非市場型サービス1.6%(前期▲0.3%)だった。コロナ禍前との比較では、コロナ禍で低迷していた住居・飲食業が前期比で43.1%(前期30.5%)と急回復が続いた。コロナ禍前との比較では▲16.5%とまだ回復は道半ばだが、市場型サービス全体で見るとコロナ禍前比で▲0.0%まで回復している。一方、製造業はコロナ禍前との比較でも▲4.3%と回復の重しになっている。
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費▲0.5%(前期4.7%)、政府消費0.1%(前期0.9%)、投資1.3%(前期▲2.2%)、輸出6.4%(前期0.9%)、輸入0.7%(前期4.2%)となった。スペインでは、7-9月期の個人消費の伸びがマイナスに転じており、また、投資も力強さを書いている(図表6)。産業別には、製造業が前期比3.4%(前期▲1.0%)、建設業が前期比1.8%(前期▲2.5%)、サービス業が前期比3.2%(前期1.4%)となっている。コロナ禍前との比較ではサービス業が▲6.2%、製造業が▲5.5%といずれも回復が遅れており、また建設業が▲15.2%とスペインでは建設業の不振が目立つ。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年11月01日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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