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ESGへの取り組みから期待される効果

中央大学 総合政策学部 佐々木 隆文
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図表2はESGへの取り組みが消費者、従業員、投資家の行動に及ぼす影響を調べたものである。選択肢は0から4の5段階であり、点数が高いほど良い影響を示している(2がニュートラル)。まずパネルAの環境への対応について見ると、全ての平均得点が3を超えており、環境問題への積極的な取り組みがステイクホルダーの行動に好影響を及ぼすと考えている企業が多いことが分かる。また、従業員(パネルB)、社会(パネルC)についても得点は全て3を超えている。従業員を対象とした取り組みが従業員行動に良い影響を及ぼすとの回答は予想通りであるが、消費者行動、投資家行動にも良い影響を及ぼすと考えている企業が多いことは注目されよう。また、社会における消費者行動の得点は他のカテゴリーにおける消費者の得点よりも高くなっている。社会貢献は事業活動と関連が薄いとの懸念もあるが、一般消費者にも内容が分かりやすいものが多い。社会貢献による企業イメージの向上が消費者の支持につながるとの期待が垣間見える。他方、ガバナンスについては予想通り、投資家行動のスコアが高くなっている。ここでの結果はESGへの取り組みがステイクホルダー行動の改善を通じて企業自身にベネフィットをもたらすことを示唆している。そのような効果を高めるためには投資家のみならず従業員、消費者といったステイクホルダーに対してもESGへの取り組みを分かりやすく伝えることが重要であろう。
(2021年10月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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