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1.結果の概要:雇用環境の改善が続く
【8月】
・失業保険申請件数1は前月(225.19万件)から5.86万件減の219.33万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は5.4%となり、前月(同5.6%)から低下した。
【7月(5-7月の3か月平均)】
・失業率は4.6%で前月(4.7%)から低下、市場予想2(4.6%)と同じだった(図表1)。
・就業者は3235.7万人で3か月前の3217.4万人から18.3万人の増加となった。
増減数は前月(9.5万人)から増加したが、市場予想(+19.9万人)は下回った。
・週平均賃金は、前年同期比8.3%で前月(8.8%)から減速したものの、市場予想(8.2%)は上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:求人数は過去最高を更新、労働需要が高まる
給与所得者データ3では、8月の給与所得者が2906.0万人となり7月から24.1万人増えた(図表4)。20年12月以来9か月連続の増加となり、給与所得者の水準はほぼコロナ禍前(20年2月:2905.9万人)まで回復した。産業別に見ると、7月の増加は教育や事務サービス業が主導した。月あたり給与額(中央値)については前年同月比5.4%で7月(5.6%)からは減速したが、高めの伸び率を維持している(図表4、図表5も参照)。
5-7月の平均賃金は前年同期比8.3%(実質は6.0%)とやや減速したものの、ベース効果の影響で高めの伸び率になっている。ただし、コロナ禍前と比較できる2年前比でみても7.2%(実質は4.1%)と、(低所得雇用の減少などの)構成効果なども影響し高めの伸び率が続いている(図表5)。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した統計。直近データは利用可能な情報の85%ほどを集計して算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年09月15日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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