2021年09月14日

2020年世界の生保業界におけるM&A、事業再編等の動向-コロナ渦中、世界の生保会社はどう動いたか-

松岡 博司

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■要旨

新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされ続けた2020年にも、世界の生保業界におけるM&Aは、件数、取引規模とも、対2019年で増加した。

低金利環境の中、ノンコア事業の売却、ランオフの動きは継続しており、事業撤退や事業売却と関連のあるM&A案件は多かった。

生損保事業をあわせ行っていたマルチライン保険グループが一方の事業を切り離す事例も目立った。

また買い手の側に非伝統的な買収者が増加した。

生命保険M&Aの非伝統的な買収者は、プライベート・エクイティや資産運用会社の支援を受けた負債買収プラットフォームが中心であるが、今後、SPAC(特別目的買収会社)や、再保険サイドカーといった、第三者の投資資金を資金源とする新しい仕組みも浸透してきそうである。

地理的な存在範囲を縮小または拡大することをM&Aのテーマとする取引も多かった。こちらでは世界的に展開するグローバル保険会社が地域、国からの撤退を実施した事例が目立った。

■目次

はじめに
1――2020年の世界の生保業界におけるM&Aの件数、取引規模
  ・金額10億ドル超の生命保険M&A大型案件の状況
2――2020年の世界の生命保険M&Aの中に見られる特徴的な状況
  (1)市場環境-新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックと経済情勢
  (2)売り手の事情-事業撤退や事業売却と関連のあるM&A案件が引き続き多数
  (3)買い手としての非伝統的買収者の増加
  (4)地理的撤退、地理的拡大に焦点を当てた買い手と売り手
  (参考)インシュアテックスタートアップ企業の買収
さいごに
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