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治験の概要-臨床試験の現状 (前編)
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員 篠原 拓也
現代の医療において、臨床試験は必要不可欠なものと位置づけられている。医薬品や医療機器などの品質を維持し、医療の安全性と有効性を担保する手段として、臨床試験を適正に行うことが求められている。
そもそも臨床試験とはどのようなものなのか? 一般の人が理解を高めることを目指して、本稿(前編)と次稿(後編)の2回に分けて、臨床試験をテーマに、現状をみていくこととしたい。
■目次
0――はじめに
1――治験とは
1|治験は、新薬承認を目的として行われる
2|臨床研究は、観察研究、介入研究、二次研究に大別される
3|治験の届出数は、2000年代以降増加
2――新薬の開発プロセス
1|治験は、新薬開発のカギ
(参考) 新薬の特許
2|治験では、第Ⅲ相試験が開発のヤマ場
3|承認申請の実質的な審査はPMDAが行う
4|製造販売後調査の結果をもとに再審査申請が行われる
3――治験のルール
1|被験者の人権保護が科学・社会のための利益に優先
2|治験は、行政の管理・監督のもとで行われる
3|治験は、倫理規範のもと、法令に基づいて行われる
4――各フェーズの試験内容
1|第I相試験は、被験薬の安全性や、吸収・代謝・分布・排泄を調査する
2|第II相試験は、用量設定を行う「探索的試験」
3|抗がん剤の第III相試験は薬物動態と有害事象の関連性の確認などが中心
4|第III相試験は、ランダム化比較試験によって行われる「検証的試験」
5|複数の相を併用する場合もある
5――ワクチンの治験
1|ワクチンには安全性が強く求められる
2|ワクチンの治験は健康な人を被験者として行われる
3|有効性は基本的に発症予防効果でみる
4|副反応リスクが大きければ、開発がストップすることも
(参考) 新コロナウイルス感染症ワクチンの治験
6――国際共同治験
1|第III相試験は、国際共同治験として行うことが一般的
2|国際共同治験には日本の治験では対象外の臨床試験も含まれる
3|海外の臨床データを受け入れる際に、民族的要因の考慮が必要となる
7――おわりに
【参考文献・資料】
保険研究部 主席研究員 兼 気候変動リサーチセンター チーフ気候変動アナリスト 兼 ヘルスケアリサーチセンター 主席研究員
篠原 拓也 (しのはら たくや)
研究・専門分野
保険商品・計理、共済計理人・コンサルティング業務
03-3512-1823
- 【職歴】
1992年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所へ
【加入団体等】
・日本アクチュアリー会 正会員
公式SNSアカウント
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