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- 鉱工業生産21年5月-半導体不足の影響で自動車が大幅減産
2021年06月30日
1.5月の生産は事前予想を大きく下回る
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は21年1-3月期の前期比7.8%の後、4月が前月比14.5%、5月が同▲3.0%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は21年1-3月期の前期比0.1%の後、4月が前月比2.6%、5月が同1.5%となった。4、5月の平均を1-3月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は8.9%、建設財は3.9%高い水準となっている。
21年1-3月期のGDP統計の設備投資は前期比▲1.2%の減少となったが、20年10-12月期に同4.3%の高い伸びとなった反動もあり、基調としては持ち直しの動きが続いている。4-6月期の設備投資は2四半期ぶりの増加となる可能性が高いだろう。
消費財出荷指数は21年1-3月期の前期比▲0.9%の後、4月が前月比1.2%、5月が同▲4.9%となった。5月は耐久消費財(前月比▲7.9%)、非耐久消費財(同▲2.4%)ともに大きく落ち込んだ。
21年1-3月期のGDP統計の民間消費は前期比▲1.5%と3四半期ぶりの減少となった。足もとの消費関連指標を確認すると、外食、旅行などのサービス消費の低迷が続いていることに加え、緊急事態宣言に伴う休業、時短営業の影響で財消費も弱めの動きとなっている。現時点では、21年4-6月期の民間消費は小幅ながら2四半期連続で減少すると予想している。
消費財出荷指数は21年1-3月期の前期比▲0.9%の後、4月が前月比1.2%、5月が同▲4.9%となった。5月は耐久消費財(前月比▲7.9%)、非耐久消費財(同▲2.4%)ともに大きく落ち込んだ。
21年1-3月期のGDP統計の民間消費は前期比▲1.5%と3四半期ぶりの減少となった。足もとの消費関連指標を確認すると、外食、旅行などのサービス消費の低迷が続いていることに加え、緊急事態宣言に伴う休業、時短営業の影響で財消費も弱めの動きとなっている。現時点では、21年4-6月期の民間消費は小幅ながら2四半期連続で減少すると予想している。
2.4-6月期の増産は確実に
21年5月の生産指数を6月の予測指数で先延ばしすると、4-6月期の生産は前期比2.4%となる。1-3月期(前期比2.9%)に比べれば伸びは鈍化するものの、4四半期連続の増産は確保できる見込みだ。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の悪影響はサービス業を中心に表れ、製造業への影響は限定的にとどまっている。半導体不足の影響で自動車の減産が長期化するリスクには注意が必要だが、世界経済の回復を背景とした輸出の増加を主因として、製造業の生産活動は先行きも堅調を維持することが見込まれる。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の悪影響はサービス業を中心に表れ、製造業への影響は限定的にとどまっている。半導体不足の影響で自動車の減産が長期化するリスクには注意が必要だが、世界経済の回復を背景とした輸出の増加を主因として、製造業の生産活動は先行きも堅調を維持することが見込まれる。
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(2021年06月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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