- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 中国経済:景気指標の総点検(2021年春季号)-1-3月期の成長率は20%を超えるのか?
2021年03月26日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めて1年余りを経過した。昨年1月には武漢を都市封鎖(ロックダウン)するなど中国経済は大打撃を受けたが、2月中旬には早くも峠を越えた。21年に入ると河北省などで再び感染が拡大したものの短期間で収束し、21年3月に開催された全人代では経済成長の数値目標を「6%以上」として臨むこととなった。一方、消費者物価は安定しており、21年の数値目標は「3%前後」と前年より低く設定された。
- 景気10指標を見ると(下表)、需要面では消費の代表指標である小売売上高が3ヵ月連続で“×”となった一方、投資の代表指標である固定資産投資には底打ちの兆があり、輸出は好調を続けている。他方、供給面では鉱工業生産にスピード調整終了の兆しがでてきたが、製造業PMIと非製造業PMIがともに“×”と楽観しきれない状況が続いている。その他の指標では、電力消費量、道路貨物輸送量、工業生産者出荷価格が上向きを示したが、通貨供給量(M2)が3ヵ月連続で“×”となるなど金融引き締めに対する懸念が高まりつつある。
- 景気インデックス(工業生産、サービス業生産、建築業PMIを合成加工して毎月の実質成長率を推計したもの)の推移をみると、昨年1月はコロナ禍で前年比5.8%減、2月は同11.9%減、3月は同2.9%減と3ヵ月連続でマイナスに落ち込んだが、4月には前年同月をやや上回り、その後も徐々にプラス幅を拡大していった。そして、今年1月は前年同月に落ち込んだ反動で前年比21.6%増、2月は同20.7%増と極めて高い伸びを示した。しかし、3月は前年同月がやや高いため反動も小さくなる。1-3月期の成長率は前年比+17%台と予想している。
(2021年03月26日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/15 | 図表でみる世界の民主主義-日本の民主主義指数は上昇も、世界平均は低下。世界ではいったい何が起きているのか? | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/07/30 | 図表でみる世界の人口ピラミッド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/04/05 | 不動産バブルの日中比較と中国経済の展望 | 三尾 幸吉郎 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【中国経済:景気指標の総点検(2021年春季号)-1-3月期の成長率は20%を超えるのか?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中国経済:景気指標の総点検(2021年春季号)-1-3月期の成長率は20%を超えるのか?のレポート Topへ