- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 中国経済 >
- 図表でみる中国経済(新型コロナ禍の2020年を振り返って)
2021年01月29日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界を襲った2020年、中国の経済成長率は実質で前年比2.3%増と、2019年の同6.0%増を3.7ポイント下回ることとなった。天安門事件(1989年6月4日)で西側諸国から経済制裁を受けた1990年の同3.9%増を下回り、改革開放に舵を切った1978年以降の最低水準を塗り替えた。一方、20年の消費者物価は前年比2.5%上昇となり19年の同2.9%上昇を0.4ポイント下回ることとなった(下左図)。
- 20年の新型コロナ禍との闘いを振り返ると、19年12月に最初の感染者が確認されたあと、新型コロナ混迷期を経て、1月23日には武漢を都市封鎖するなど防疫強化期に入った。その後2月中旬には経済活動再開に舵を切り、4月8日には武漢の都市封鎖を解除、5月下旬には全人代開催に漕ぎ着け、財政・金融の両面で景気対策が本格稼働した。その後も全国各地でクラスターは発生したが早期に抑え込み、中国経済は期を追う毎に勢いを取り戻して行った。
- 20年の中国経済の推移を振り返ると、初めに回復に転じたのは投資で、財政・金融両面からの景気対策が大きく寄与した。次に持ち直したのは輸出で、新型コロナ禍が収束に向かい生産体制が正常化するとともに回復することとなった。個人消費は最後まで緩やかな回復に留まったが、可処分所得・失業率などの指標が最悪期を脱し、消費環境は改善してきている。
- 20年の財政政策を振り返ると「積極的な財政政策はさらに積極的かつ効果的なものにする必要がある」として取り組み、防疫体制整備や経済的打撃の緩和に貢献した。但し、政府債務は拡大することとなった。他方、金融面では「穏健な金融政策はより柔軟かつ適度なものにする必要がある」として取り組み、経済のV字回復に貢献した。但し、疫情融資に伴う返済猶予が膨張し不良債権も増えたため、8月以降は金融政策を引き締め方向に微調整した(下右図)。
■目次
1.20年の中国経済(概況)
2.20年の新型コロナ禍(概況)
3.20年の中国経済(推移)
1|個人消費の推移
2|投資の推移
3|輸出の推移
4.20年の財政金融政策
1|財政政策
2|金融政策
1.20年の中国経済(概況)
2.20年の新型コロナ禍(概況)
3.20年の中国経済(推移)
1|個人消費の推移
2|投資の推移
3|輸出の推移
4.20年の財政金融政策
1|財政政策
2|金融政策
(2021年01月29日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
三尾 幸吉郎
三尾 幸吉郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2024/12/16 | 図表でみる世界のGDP-日本が置かれている現状と世界のトレンド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/07/30 | 図表でみる世界の人口ピラミッド | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レター |
2024/04/05 | 不動産バブルの日中比較と中国経済の展望 | 三尾 幸吉郎 | 基礎研マンスリー |
2024/03/11 | Comparison of Real Estate Bubbles in China and Japan, and Prospects for the Chinese Economy | 三尾 幸吉郎 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~ -
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している -
2025年03月25日
「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年) -
2025年03月25日
ヘルスケアサービスのエビデンスに基づく「指針」公表
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【図表でみる中国経済(新型コロナ禍の2020年を振り返って)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
図表でみる中国経済(新型コロナ禍の2020年を振り返って)のレポート Topへ