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世界各国の新型コロナとの闘いを振り返って

三尾 幸吉郎
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1――新型コロナとの闘いに明け暮れた2020年
2――新型コロナ感染が多かった国と少なかった国
![[図表-1]COVID-19確認症例数(2020年)](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/66710_ext_15_2.jpg?v=1611282751)
これら感染を低位に抑え込んだ国に共通する点を考えると、百万人当たりの感染数が1人を下回るまで行動規制を緩めなかったことが挙げられる。中国、ベトナム、台湾が行動規制を緩和したのは0.1人を下回ってからで、ニュージーランド、オーストラリア、韓国も1人を下回ってから緩和に動いている。一方、欧米先進国では、英国、フランス、ドイツが行動規制を緩和したのは5月のことで、その時の百万人当たりの感染数はそれぞれ44人、11人、9人で、米国は6月に80人前後で緩和した。このように欧米先進国では早々と行動規制を緩める方向に舵を切っており、両者の新型コロナ対策はとても対照的なものとなった。
3――財政赤字が巨大化した国と小幅に留まった国
4――GDP回復が順調な国とそうでない国
![[図表-3]2021年まで名目GDP増減](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/66710_ext_15_5.jpg?v=1611282752)
以上のように2020年の新型コロナ禍との闘いを振り返ると、残念ながら集団免疫を獲得するまで国民の自由を尊重し続けたところは見当たらず、経済と防疫の両立に取り組んだところも軸足を移し替えるタイミング判断に苦労した事例が散見された。そして、終始一貫して厳格な防疫に軸足を置いたところが、感染抑止の観点で見ても、経済成長の観点で見ても、財政負担の観点で見ても、相対的に良好なパフォーマンスを挙げることとなったといえるだろう。新たな細菌やウイルスによるパンデミック(世界的大流行)はこれが最後ではなく、これからもしばしば人類に襲いかかると見られるだけに、今回の教訓を次回以降に生かしたいものである。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年01月22日「基礎研レター」)
三尾 幸吉郎
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