- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 消費者物価(全国20年11月)-コアCPI上昇率は当面▲1%程度で推移
消費者物価(全国20年11月)-コアCPI上昇率は当面▲1%程度で推移
経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎
このレポートの関連カテゴリ
1.コアCPI上昇率のマイナス幅が拡大

消費税率引き上げの影響は20年10月時点でほぼ一巡したが、電気代、ガス代、通信料など一部の品目で新税率の適用が19年11月となっていた。20年11月はこの影響が剥落したことにより、コアCPI上昇率は▲0.1%ポイント程度押し下げられた。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)は前年比▲0.3%(10月:同▲0.2%)、総合は前年比▲0.9%(10月:同▲0.4%)であった。

食料(生鮮食品を除く)は前年比▲0.1%(10月:同0.2%)となり、7年4ヵ月ぶりのマイナスとなった。外食需要の低迷を反映し、一般外食が10月の前年比0.7%から同0.4%へと伸びが鈍化したほか、内食需要の高まりから上昇が続いていた調理食品が前年比▲0.1%(10月:同0.1%)と下落に転じた。
さらに、テレビ、パソコンなどの教養娯楽用耐久財も前年比▲0.9%(10月:同0.1%)と下落に転じており、巣ごもり需要の高まりに伴う物価上昇圧力は一巡しつつある。
コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲0.63%(10月:▲0.57%)、食料(生鮮食品を除く)が▲0.00%(10月:0.07%)、その他が▲0.26%(10月:▲0.33%)であった(当研究所試算による消費税、教育無償化の影響を除くベース)。
2.上昇品目数の割合は再び50%を下回る

上昇品目数の割合は20年7月から3ヵ月連続で50%を下回った後、10月にはいったん50%を上回ったが、11月は再び50%を下回った。当面、物価下落圧力の強い状態が続くため、当面は上昇品目数の減少(下落品目数の増加)傾向が続くだろう。
3.コアCPI上昇率は当面▲1%程度のマイナスが継続

緊急事態宣言の解除を受けて個人消費は持ち直しの動きを続けてきたが、「Go To トラベル事業」の一時停止、飲食店の営業時間短縮要請の影響などから、先行きは対面型サービス消費を中心に弱い動きとなる可能性が高い。需給面からの下押し圧力が強い中で、20年度内は▲1%程度の推移が続くだろう。
一方、足もとの原油価格上昇を受けたエネルギー価格の下落率縮小を主因として21年度入り後はコアCPIの下落率が徐々に縮小することが見込まれる。現時点ではコアCPI上昇率がプラスに転じるのは21年夏場以降と予想している。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
(2020年12月18日「経済・金融フラッシュ」)
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年04月19日
薬価中間年改定の実施~一般の国民は、負担の軽減を実感できるか? -
2021年04月19日
貿易統計21年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.2%程度のマイナスに -
2021年04月19日
わが国の不動産投資市場規模(2)~オフィスは「投資適格不動産(71.0兆円)」の4分の3、住宅は「投資適格不動産(30.4兆円)」の6割が「東京23区」に集積。 -
2021年04月19日
米住宅着工・許可件数(21年3月)-寒波の影響で減少した前月の反動もあって、住宅着工、許可件数ともに大幅に増加 -
2021年04月16日
ドイツの民間医療保険及び民間医療保険会社の状況(2)-2019年結果-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年04月12日
News Release
-
2021年04月02日
News Release
-
2021年01月21日
News Release
【消費者物価(全国20年11月)-コアCPI上昇率は当面▲1%程度で推移】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費者物価(全国20年11月)-コアCPI上昇率は当面▲1%程度で推移のレポート Topへ