2020年12月09日

サブリース事業者への行為規制-12月15日から賃貸住宅管理業法の一部が施行

保険研究部 取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任   松澤 登

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■要旨

2020年通常国会で成立した賃貸住宅管理業法は二つの制度を設けている。一つ目は、賃貸住宅管理業者の登録制度であり、二つ目は特定転貸事業者の行為規制である。二つ目はいわゆるサブリース会社に関する規制で、一定の表示行為や勧誘話法を禁止するとともに、勧誘や契約締結にあたって一定の情報提供を求めるものである。
 
一つ目の賃貸住宅管理業者の登録制度は来年6月までの施行となっているが、二つ目のサブリース会社に関する規制はこの12月15日から施行される。
 
規制対象となるのは、賃貸人(オーナー)から、転貸する目的で賃貸住宅の賃借(これをマスターリースという)をする事業者で、これを「特定転貸事業者」(=サブリース会社)という。さらに特定転貸事業者から委託を受けるなどして、マスターリース契約締結の勧誘を行う事業者にも規制が適用されるが、この事業者を「勧誘者」という。
 
特定転貸事業者と勧誘者両方に適用があるのが、勧誘にあたっての行為規制である。大きくは二つの規制があり、一つ目が誇大広告の禁止であり、二つ目が不当な勧誘等の禁止である。誇大広告の禁止では、家賃保証について、契約や借地借家法の規定で減額されうることを表示しないことなどが禁止される。他方、不当な勧誘の禁止では、サブリースのリスクを伝えずにメリットのみを伝えることなどが禁止される。
 
特定転貸事業者だけに適用があるのが、契約締結前の書面交付義務と契約締結時の書面交付義務である。契約締結前の書面は、オーナーになろうとする人が契約締結を考慮するにあたって知っておくべき情報を記載した書面を交付すべき義務である。この内容には賃料減額リスクや解約に関する情報などが含まれる。
 
また、契約締結時の書面は通常は契約書の形をとると考えられるが、たとえば入居者(転借人)に対して、物件管理の実施方法をどう周知するかなどを含む契約条項を規定するものとされる。
 
サブリース規制は民事法上の規律を前提として、サブリース会社サイドに説明を尽くさせることで問題発生を防止しようとするものであるが、今後は、金融商品取引法にある適合性原則のような規制の導入も検討されるべきであろう。
 
賃貸住宅管理業法違反に対しては行政からの改善命令だけではなく、刑事罰が科されるものも多い。サブリース事業にかかわる事業者は新しい規制に従った事業運営を、適切に行なう必要がある。

■目次

1――はじめに
2――特定転貸事業者・勧誘者の定義
  1|賃貸住宅の定義
  2|特定賃貸借契約の定義
  3|特定転貸事業者・勧誘者の定義
3――特定転貸事業者・勧誘者に対する禁止規定
  1|誇大広告の禁止
  2|不当な勧誘等の禁止
4――特定転貸事業者の書面交付義務(説明義務)
  1|契約締結前の書面交付
  2|契約締結時の書面交付義務
5――国土交通大臣の監督権限
  1|特定転貸事業者・勧誘者に対する指示
  2|特定転貸事業者・勧誘者に対する業務停止・登録取り消し等
6――検討
7――おわりに
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保険研究部   取締役 研究理事・ジェロントロジー推進室兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
一般法務、企業法務、保険法・保険業法

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【サブリース事業者への行為規制-12月15日から賃貸住宅管理業法の一部が施行】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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