- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- REIT(リート) >
- オフィス市況の見極めがカギとなるJリート市場~オフィスセクターの相対評価は過去最低水準で推移~
コラム
2020年12月02日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
こうしたオフィス市況の不透明感を背景に、Jリート市場ではオフィスセクターの市場評価が低迷しています。バリュエーション指標の1つであるNAV倍率(株式のPBRに相当)を確認すると、オフィスセクターは0.87倍と目安となる1倍を下回り、Jリート市場平均(0.94倍)と比べた相対NAVプレミアムは▲6%と過去最低水準で取引されています(図表3)。
前回のリーマンショック後の調整局面では、オフィスセクターのNAV倍率は一時0.52倍にまで低下しましたが、相対NAVプレミアムはプラス圏で推移しました。つまり、オフィスセクターは、不動産市況の悪化時期において、市場規模や流動性などの観点から資金の逃避先に選ばれるセクターでしたが、今回は、オフィスセクターに代わって物流や住宅セクターがその役割を担っていると言えます。
前回のリーマンショック後の調整局面では、オフィスセクターのNAV倍率は一時0.52倍にまで低下しましたが、相対NAVプレミアムはプラス圏で推移しました。つまり、オフィスセクターは、不動産市況の悪化時期において、市場規模や流動性などの観点から資金の逃避先に選ばれるセクターでしたが、今回は、オフィスセクターに代わって物流や住宅セクターがその役割を担っていると言えます。
もちろん、オフィス市況がさらに悪化すればJリート保有ビルもその影響は避けられないでしょう。しかし、足もとの運用実績に照らしてJリート市場の懸念はやや行き過ぎの感もあります。
いずれにしても、Jリート市場全体の本格回復には最大セクターであるオフィスセクターの上昇が欠かせません。今後は、オフィス市況の見極めが重要なカギとなりそうです。
いずれにしても、Jリート市場全体の本格回復には最大セクターであるオフィスセクターの上昇が欠かせません。今後は、オフィス市況の見極めが重要なカギとなりそうです。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年12月02日「研究員の眼」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1858
経歴
- 【職歴】
1993年 日本生命保険相互会社入社
2005年 ニッセイ基礎研究所
2019年4月より現職
【加入団体等】
・一般社団法人不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
岩佐 浩人のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/06 | 東京オフィス市場は賃料上昇率が拡大。J-REIT市場は需給改善で反発-不動産クォータリー・レビュー2025年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
2025/05/09 | 東京オフィス市場は賃料上昇率が拡大。J-REIT市場は需給改善で反発-不動産クォータリー・レビュー2025年第1四半期 | 岩佐 浩人 | 不動産投資レポート |
2025/05/09 | J-REIT市場の動向と収益見通し。今後5年間で▲7%減益を見込む-シナリオ別のレンジは「▲20%~+10%」となる見通し | 岩佐 浩人 | 基礎研マンスリー |
2025/05/07 | 不動産市場と金融市場の価格差を利用したJリートの成長戦略 | 岩佐 浩人 | ニッセイ年金ストラテジー |
新着記事
-
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)- -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来 -近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
株主提案による役員選任議案-フジメディア・ホールディングス
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【オフィス市況の見極めがカギとなるJリート市場~オフィスセクターの相対評価は過去最低水準で推移~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
オフィス市況の見極めがカギとなるJリート市場~オフィスセクターの相対評価は過去最低水準で推移~のレポート Topへ