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2020年11月17日
インドの生命保険会社の状況-2019年度の決算数値を踏まえての成長性・効率性・収益性・健全性等の動向-
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以上のように、予定死亡率については、各社の経験データ等に基づいて、対象とする市場における経験発生率の状況等も勘案する中で、各社が合理的・妥当と考える水準に設定されてきている。
3 生命保険会社24社の調査機関(2012年4月1日~2014年3月31日)のデータに基づいて作成された。標準表は、有診査の男性被保険者の2年以上の段階的終局死亡率で構成されている。なお、2019年4月1日より適用されている。
3 生命保険会社24社の調査機関(2012年4月1日~2014年3月31日)のデータに基づいて作成された。標準表は、有診査の男性被保険者の2年以上の段階的終局死亡率で構成されている。なお、2019年4月1日より適用されている。
なお、LICのソルベンシー比率は安定的に推移しているが、民間の5社は規模の拡大に合わせて、基本的には絶対水準は低下傾向にある。ただし、引き続き高水準を維持している。
3|剰余の分配(契約者配当)の状況
保険契約者に対する配当としては、保険金増額式配当(Reversionary Bonus)と消滅時配当(Terminal Bonus)がある。このうち、例えば、2019年度決算に基づいて、2020年度に割り当てられる、2019年度の保険金増額式配当率については、次ページの図表の通りとなっている。
2016年度から2017年度にかけては、ICICI Prudential、HFDC Standard及びBajaj Allianzが配当率の一部引き下げを行ったが、他社は2016年度と同水準となっていた。2017年度から2018年度にかけては、HFDC Standard、SBI Life及びBajaj Allianzが配当率の一部を変更したが、2019年度は、LIC、SBI Life及びBajaj Allianzが変更を行った。
なお、LICの養老保険や終身保険の場合、2018年度までの8年間の配当率は同水準であり、安定的な配当が行われてきていたが、2019年度は終身保険の配当率を引き下げている。
保険契約者に対する配当としては、保険金増額式配当(Reversionary Bonus)と消滅時配当(Terminal Bonus)がある。このうち、例えば、2019年度決算に基づいて、2020年度に割り当てられる、2019年度の保険金増額式配当率については、次ページの図表の通りとなっている。
2016年度から2017年度にかけては、ICICI Prudential、HFDC Standard及びBajaj Allianzが配当率の一部引き下げを行ったが、他社は2016年度と同水準となっていた。2017年度から2018年度にかけては、HFDC Standard、SBI Life及びBajaj Allianzが配当率の一部を変更したが、2019年度は、LIC、SBI Life及びBajaj Allianzが変更を行った。
なお、LICの養老保険や終身保険の場合、2018年度までの8年間の配当率は同水準であり、安定的な配当が行われてきていたが、2019年度は終身保険の配当率を引き下げている。
(参考)EV(Embedded Value)の公表
EVについては、大手の生命保険会社が公表している。算出方式は、ICICI PrudentialとSBI LifeがIEV(Indian Embedded Value)という方式で、HDFC Standard等がMCEV(市場整合的EV)となっている。 ここで、IEV(Indian Embedded Value)というのは、インド・アクチュアリー会が作成しているアクチュアリー実務基準に基づいており、基本的には資産と負債の市場整合的な評価を行うMCEVと調和している方式である。
EVや新契約マージンは、会社の成長性や収益性を示す1つの指標となっている。
これによれば、各社の2019年度の新契約マージンは18%~26%の範囲にあり、2018年度に比べても水準を上げている。このように、引き続き新契約における高い収益性を確保している。
EVについては、2015年度に増加率が低下していたが、2016年度から2019年度においては各社とも、Bajaj Allianzを除けば、2桁近い進展と大きく増加してきており、会社の価値を着実に高めてきている。
EVについては、大手の生命保険会社が公表している。算出方式は、ICICI PrudentialとSBI LifeがIEV(Indian Embedded Value)という方式で、HDFC Standard等がMCEV(市場整合的EV)となっている。 ここで、IEV(Indian Embedded Value)というのは、インド・アクチュアリー会が作成しているアクチュアリー実務基準に基づいており、基本的には資産と負債の市場整合的な評価を行うMCEVと調和している方式である。
EVや新契約マージンは、会社の成長性や収益性を示す1つの指標となっている。
これによれば、各社の2019年度の新契約マージンは18%~26%の範囲にあり、2018年度に比べても水準を上げている。このように、引き続き新契約における高い収益性を確保している。
EVについては、2015年度に増加率が低下していたが、2016年度から2019年度においては各社とも、Bajaj Allianzを除けば、2桁近い進展と大きく増加してきており、会社の価値を着実に高めてきている。
6―まとめ
ここまで、2019年度決算に関する各社のPublic Disclosures資料等に基づいて、インドの生命保険業界の主要各社の成長性・効率性・収益性・健全性等の状況について報告してきた。
インドの生命保険市場は、大きな潜在力を有し、今後さらなる成長が期待できる市場であるが、市場の変化に対応して、これまで、各種の保険監督規制の改革等が行われてきている。こうした環境下で、生命保険会社は、商品開発とチャネルの改革、リスク管理体制の充実等の課題に取り組み、経営効率化を進めてきている。
成長性が高く、健全性を維持しつつ、一定の収益性が期待できる市場だからこそ、日本の保険会社も含めて、欧米の主要保険グループが、この市場に魅力を感じて注力してきている。
なお、今回は2019年度決算数値の報告であることから、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響についての情報開示等は、相対的に限定されたものとなっている。
インドにおいては、現在新型コロナウイルスの感染が拡大しており、その影響が懸念されるところとなっている。その動向は極めて注目されることから、こうした点も含めたインドにおける生命保険各社の状況については引き続き注視していくこととしたい。
インドの生命保険市場は、大きな潜在力を有し、今後さらなる成長が期待できる市場であるが、市場の変化に対応して、これまで、各種の保険監督規制の改革等が行われてきている。こうした環境下で、生命保険会社は、商品開発とチャネルの改革、リスク管理体制の充実等の課題に取り組み、経営効率化を進めてきている。
成長性が高く、健全性を維持しつつ、一定の収益性が期待できる市場だからこそ、日本の保険会社も含めて、欧米の主要保険グループが、この市場に魅力を感じて注力してきている。
なお、今回は2019年度決算数値の報告であることから、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響についての情報開示等は、相対的に限定されたものとなっている。
インドにおいては、現在新型コロナウイルスの感染が拡大しており、その影響が懸念されるところとなっている。その動向は極めて注目されることから、こうした点も含めたインドにおける生命保険各社の状況については引き続き注視していくこととしたい。
(2020年11月17日「保険・年金フォーカス」)
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