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- 景気ウォッチャー調査(20年9月)~現状判断DIは5か月連続改善~
1.景気の現状判断DIは5か月連続で改善、先行き判断DIも2か月連続で改善
2.景気の現状判断DI(季節調整値):全ての内訳で改善
回答者のコメントからは、新型コロナウイルス感染症に対する警戒感が和らぎ客足が戻ってきていることや、9月の大型連休の人出の好調さ、Go To Travelキャンペーンと9月の大型連休が相乗効果を発揮し、景況感に好影響を与えたことが伺われた。
<新型コロナウイルス感染症に対する警戒感の緩和に関する主なコメント>
- 新型コロナウイルスの影響が下火になりつつあり、客の自粛ムードも薄れている(四国・一般レストラン)
- 新型コロナウイルスの第2波がピークを過ぎた感じで、客の外出が増加し始めており、モデルハウスの来場者数も前年並みに戻りつつある(中国・住宅販売会社)
<9月の大型連休の人出の好調さやGo To Travelキャンペーンに関する主なコメント>
- 9月の大型連休は客の流れが良かったため、少しは経済も回ったと感じる。気温もそれほど下がっていないため、飲料水の売上も少しは良くなっている(近畿・食料品製造業)
- 9月の大型連休がすごかった。新型コロナウイルスが終息したわけでもないのにあの人出は驚異的である(北陸・一般小売店[鮮魚])
- Go To Travelキャンペーンの定着に加えて9月の大型連休に恵まれたために、レジャー目的の需要が増加した(東海・百貨店)
- 8月ほどではないが宿泊稼働も 50%近くまで回復してきている。特に、9月の4連休はほぼ満室の状況が続き、久しぶりに忙しかった。3か月前と比べると、Go To Travelキャンペーンの影響で販売量が大幅に伸びている(南関東・都市型ホテル)
3.景気の先行き判断DI(季節調整値):全ての内訳で改善
回答者のコメントからは、新しい生活様式の定着やGo To Travelキャンペーンの東京除外が解除されることへの期待が伺われる一方で、現状の景況感がこのまま持続するだろうとの予想が広がっていることが伺われた。
<新しい生活様式の定着に関する主なコメント>
- 新しい生活様式に人々が慣れてくることで、年末の帰省も含めて、徐々に人の動きが活発になると見込まれる。そのため、今後の景気はやや良くなる(北海道・スーパー)
- 新型コロナウイルスの感染者数の動きにもよるが、今後はWithコロナで徐々に来客数は戻るのではないか(甲信越・観光名所)
<Go To Travelキャンペーンの東京除外の解除に関する主なコメント>
- 10 月以降東京からのGo To Travelキャンペーン需要を期待している。一時的なことだが、ホテルは少しにぎわってきた。宿泊、レストランは今後も好調に推移しそうである(東海・都市型ホテル)。
- Go To Travelキャンペーンに、東京都も対象となる 10 月以降に大きな期待 を寄せている。個人に続き団体も動いてくれると、景気が上向いてくる(南関東・旅行代理店)。
<現状維持の先行きに関する主なコメント>
- 新型コロナウイルスに対するワクチンや特効薬が開発されない限り、景気状況が劇的に回復することはないと推察する。しかし、業種によっては回復基調となっており、景気としては現状と大きく変わらないのではないかとみている(東北・建設業)
- 現在の新型コロナウイルスの感染状況から、景気の先行きについて現状から大きく変わるようなことはない(北海道・乗用車販売店)10 月以降東京からのGo To Travelキャンペーン需要を期待している。一時的なことだが、ホテルは少しにぎわってきた。宿泊、レストランは今後も好調に推移しそうである(東海・都市型ホテル)。
なお、たばこや「第3のビール」に対する酒税の増税やたばこ税が10月に増税されることへの悪影響を懸念するコメントも複数あった。
9月調査の結果は、新型コロナウイルス感染症の感染者数の落ち着きなどから景況感が改善していることを示すものであった。ただし、景気の水準自体は依然として低いことに留意する必要がある。今後も、新型コロナウイルス感染症の感染状況を意識しながらの経済活動にならざるをえないことは変わらないものの、再度の感染拡大が起こらなければ、「新しい生活様式」の定着やGo To Travelキャンペーンなどの政策効果により、景況感の改善は期待できるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年10月09日「経済・金融フラッシュ」)
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